2022シーズンのパ・リーグ首位打者に輝いた北海道日本ハムの松本剛選手。シーズン中に怪我による離脱を経験しながらも、オリックス・吉田正尚選手との熱いデッドヒートを制し、悲願の初タイトルを獲得した。
今回はそんな松本選手の打点数に着目。2022シーズンに築き上げた打点数は「44」と、過去10年のパ・リーグ首位打者の中で最下位の成績となっている。もちろん、打席数が他選手より少ない影響もあるが、得点圏打率は10人中トップの.419をマークしていた。

打点が伸びる条件とは?
ランキングを見ると、1位から4位は全員シーズン20本塁打以上、5位の長谷川勇也選手、6位の糸井嘉男選手も19本塁打をマークしており、パワーヒッター達が上位を占めている。また、得点圏打率を見てもリーグトップクラスの数字を残しており、走者を返す勝負強さも大きく起因していることは間違いないだろう。松本選手は得点圏打率こそトップだが、3本塁打と長打が少なく、打点が伸びなかった。
しかし、それ以上に重要な条件が……
2022シーズンの松本選手は、その得点圏打率の高さが示すとおり、驚異的な勝負強さを見せていた。そんな松本選手が打点数を伸ばせなかった最大の理由は、「前後の打順が固定されなかった」というチーム事情が背景にある。
2022シーズンの北海道日本ハムは、新庄剛志監督の方針により打順が毎試合ごとに変更され、松本選手も9番以外の全ての打順を経験。リーグワーストの463得点と得点力に苦しむチームにおいて、松本選手の前後を打つ打者が固定できず、勝負を避けられる場面が多かった。
実際ランキング1位の森友哉選手は、シーズン序盤は5番、後半は3番とクリーンアップに固定され、前後に秋山翔吾選手や源田壮亮選手、さらに本塁打王の山川穂高選手など高出塁率の打者がいたことが打点数に大きく影響している。
2023シーズンは松本選手の前を固定できるか
北海道日本ハムは、上川畑大悟選手、清宮幸太郎選手、野村佑希選手など魅力的な打者が多い。来季、松本選手が万全のコンディションでシーズン全試合に出場し、打線も固定できれば、松本選手が多くの打点を挙げるだけでなく、チームも前年最下位からの大躍進を遂げることができるだろう。
文・村井幸太郎