10月12日より「パーソル クライマックスシリーズ パ 2022」ファイナルステージが開幕し、パ・リーグの代表を決める熱戦が繰り広げられる。最大11.5ゲーム差をひっくり返し、土壇場でリーグ優勝を勝ち取ったオリックスに挑むのは、優勝目前で涙をのんだ福岡ソフトバンクだ。悔しさを力に変え、ファーストステージでは完勝。ポストシーズン18連勝と短期決戦では無類の強さを発揮し、王座奪還へ死角はない。
一方、その前に立ちはだかるのは2年連続で投手4冠(最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率)を達成した山本由伸投手。防御率1.68、勝率.750と、まさに“負けないエース”だ。ファイナルステージでは、オリックスに「1勝」のアドバンテージが与えられている。山本投手から勝利を奪わずして、CSを突破するのは至難の技だろう。
そこで今回は、山本投手と鷹打線の対戦成績をプレイバック。攻略のカギを握る鷹戦士をまとめていく。
対戦打率3割超えは左の巧打者たち
まずは福岡ソフトバンク打線の中から、今季「10打席以上対戦し、打率が3割を超える選手」をピックアップする。
1人目は牧原大成選手。牧原選手は今季山本投手から15打数6安打、打率.400と好相性を発揮した。4月19日の一戦では、3安打の固め打ちでチームの勝利に貢献。山本投手から勝利を挙げている試合では、いずれも複数安打を放っており、キーマンとなることは間違いないだろう。
その牧原大選手の前を打つことが多い、三森大貴選手にも注目したい。三森選手も今季、山本投手から15打数5安打、打率.333の対戦成績を残しており、ファイナルステージでも活躍が期待される。シーズンでは三森選手と牧原選手の連打で得点を上げるシーンも印象的で、左の巧打者コンビで山本投手のリズムを崩していきたい。
鮮やかな満塁弾。数字以上に記憶に残る柳田悠岐
5月3日のオリックス戦、同点の6回裏に山本投手から勝ち越し満塁弾を放ち、息詰まる接戦に終止符を打ったのは柳田悠岐選手。今季の対戦成績は13打数2安打といま一つだが、両者の記憶にはこのシーンが残っているだろう。
また柳田選手は、ファーストステージの2試合で満塁ホームラン含む2本塁打を放っており、レギュラーシーズンから起算すると4試合連発中と絶好調だ。山本投手との対戦のみに限らず、短期決戦18連勝を支え続けている主砲の打撃は、ステージの明暗を分けるだろう。
山本由伸にとって福岡ソフトバンクは難敵?
最後に山本投手と福岡ソフトバンクの対戦成績を振り返る。山本投手は、今季福岡ソフトバンクと5度マッチアップ。そのうち4試合ではQS達成(6イニング以上投げ、自責点が3点以内)と、当然のごとく好投は披露している。一方で今季喫した5敗のうち、2敗は福岡ソフトバンクからで、同一チームに複数黒星を付けられているチームは、ただ一つだ。
しかし自身も調子を上げてきた終盤にかけては、福岡ソフトバンクにも好投を披露。対戦成績も、開幕から2連敗した後は、3連勝を飾るなど弱点は修正済みか。いずれにしても、山本投手の登板試合が大きな意味を持つファイナルステージ。12日の初戦で先発登板が予告されており、鷹打線との対決に注目したい。
文・小野寺穂高
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