コロナ禍の埼玉西武が首位とゲーム差なし。最大8.5差から肉薄に辻󠄀発彦監督「良く粘ってくれた」

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2022.7.14(木) 22:00

千葉ロッテ戦で今季初勝利を挙げた埼玉西武・今井達也※写真提供:Full-Count(写真:小林靖)
千葉ロッテ戦で今季初勝利を挙げた埼玉西武・今井達也※写真提供:Full-Count(写真:小林靖)

無死2、2塁、無死満塁のピンチも無失点

■埼玉西武 2対1 千葉ロッテ(14日・ベルーナドーム)

 パ・リーグ2位の埼玉西武は14日、本拠地ベルーナドームで行われた千葉ロッテ戦に2対1で競り勝ち、首位福岡ソフトバンクへ今季最小の0ゲーム差(勝率2厘差)に肉爆した。5月11日の時点では首位に今季最大の8.5ゲーム差をつけられていた(当時の首位は楽天)が、怒涛の巻き返し。前日の13日に主将の源田、守護神の増田が新型コロナウイルス陽性の判定を受けるなど、多くの主力を欠く苦境だが、どこ吹く風。昨季42年ぶりの最下位に沈んだ獅子が、3年ぶりのリーグ制覇を目指して階段を上っていく。

 辻発彦監督は「0ゲーム差? そういうこともあるでしょう」と平静を装いつつ、「やはり投手陣の頑張りが一番。今日もピンチの連続だったけれど、よく粘ってくれた」と感慨深げに語った。

 2イニング連続で、絶体絶命のピンチを無失点のピンチでしのぎ切った。先発の今井達也投手が6回を1失点に抑え、2対1と1点リードして7回の守備を迎えた。ところが2番手の佐々木健投手は、先頭の代打・岡に死球を与えた上、続く佐藤都の送りバントを捕球後、一塁へ悪送球。あっとう間に無死2、3塁と一打逆転のピンチを背負った。

 ここで埼玉西武ベンチは、3番手の本田圭佑投手にスイッチ。これが功を奏した。本田は代打レアードを三ゴロ、荻野をチェンジアップで空振り三振に仕留め2死。続く高部に対し、4球目のチェンジアップがワンバウンドし、捕手・森が弾いたボールは投手方向へ転がった。三塁走者の岡が本塁へ突入したが、マウンドから駆け降りた本田はボールを拾って森へグラブトスし、間一髪タッチアウト。千葉ロッテベンチのリクエストによるリプレー検証でも、判定は覆らなかった。

 1点差のまま迎えた8回にも、大ピンチが訪れた。この回から登板した4番手の水上由伸投手は、2安打1四球で無死満塁としてしまう。しかし、ここから踏ん張り、井上を三ゴロ併殺、角中を空振り三振に切って取り、同点さえ許さなかった。9回は平良が3者凡退で締めた。

 辻監督は「水上は自作自演」とおどけたが、「それでも最後はビシッと決めた。そうやってたくましくなってくれれば。投手陣の頑張りは、野手にも乗り移ってくると思う」と言う。さらに「打線も、いい投手はなかなか打てないけれど、粘り強くなってきている。(チームの)バランスは良くなってきた」とうなずいた。

 先発の今井は今季、開幕直前に右内転筋の張りを訴え、さらに2軍戦でも左足首を痛めて大きく出遅れていたが、2試合目で初勝利を挙げた。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

記事提供:Full-Count

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