千葉ロッテの藤岡裕も遊撃の定位置を掴み、欠かせぬ戦力に
プロ野球は開幕から2か月が経過し、29日からは交流戦がスタートする。パ・リーグは埼玉西武が首位に立ち、それを北海道日本ハム、福岡ソフトバンクが追う。
昨季の日本一福岡ソフトバンクはなかなか波に乗り切れず、23勝23敗の勝率5割で3年連続最高勝率に輝いている交流戦に突入する。昨季終盤まで首位に立っていた楽天は一転、開幕から躓き借金12の最下位に沈んでいる。
セ・リーグは2連覇中の広島が首位に立つが、2位以下は日によって順位が目まぐるしく入れ替わる展開。現在は阪神が2位につけ、それを横浜DeNA、巨人、中日、東京ヤクルトの順に追っている。最下位の東京ヤクルトでも3位DeNAとは4.5ゲーム差と、まだまだ下位からの浮上も可能な状況だ。
各リーグ戦はひと段落し、29日からはセパ交流戦がスタートする。一区切りとなったところで、今季のルーキーたちがいかなる働きを見せ、ルーキーがチームに多大な影響と貢献を与えているのは、どこの球団だろうか。見ていこう。
【パ・リーグ】
埼玉西武(27勝18敗0分)
1 斉藤大将投手(明治大)1軍出場なし
2 西川愛也外野手(花咲徳栄高)1軍出場なし
3 伊藤翔投手(四国IL・徳島)8試合0勝0敗0S0H 防御率3.00
4 平良海馬投手(八重山商工高)1軍出場なし
5 与座海人投手(岐阜経大)1軍出場なし
6 綱島龍生内野手(糸魚川白嶺高)1軍出場なし
北海道日本ハム(27勝20敗0分、1.0差)
1 清宮幸太郎内野手(早実)21試合71打数12安打1本塁打2打点 .179
2 西村天裕投手(NTT東日本)21試合1勝1敗1S7H 防御率2.55
3 田中瑛斗投手(柳ヶ浦高)1軍出場なし
4 難波侑平内野手(創志学園高)1軍出場なし
5 北浦竜次投手(白鴎大足利高)1軍出場なし
6 鈴木遼太郎投手(東北学院大)1軍出場なし
7 宮台康平投手(東京大)1軍出場なし
福岡ソフトバンク(23勝23敗0分、3.5差)
1 吉住晴斗投手(鶴岡東高)1軍出場なし
2 高橋礼投手(専修大)3試合0勝1敗0S0H 防御率3.38
3 増田珠外野手(横浜高)1軍出場なし
4 椎野新投手(国士舘大)1試合0勝0敗0S0H 防御率9.00
5 田浦文丸投手(秀岳館)1軍出場なし
オリ田嶋はここまで5勝をマークし、ローテの柱に
オリックス(23勝24敗1分、0.5差)
1 田嶋大樹投手(JR東日本)8試合5勝2敗0S0H 防御率3.09
2 鈴木康平(K-鈴木)投手(日立製作所)1試合0勝0敗0S0H 防御率0.00
3 福田周平内野手(NTT東日本)25試合41打数9安打0本塁打5打点 .220
4 本田仁海投手(星槎国際湘南高)1軍出場なし
5 西村凌捕手(SUBARU)1軍出場なし
6 西浦颯大外野手(明徳義塾高)1軍出場なし
7 廣澤伸哉内野手(大分商高)1軍出場なし
8 山足達也内野手(ホンダ鈴鹿)13試合36打数7安打0本塁打3打点 .194
千葉ロッテ(21勝24敗0分、1.0差)
1 安田尚憲内野手(履正社高)1軍出場なし
2 藤岡裕大内野手(トヨタ自動車)45試合165打数43安打3本塁打19打点 .261
3 山本大貴投手(三菱自動車岡崎)1軍出場なし
4 菅野剛士外野手(日立製作所)26試合69打数14安打1本塁打14打点 .203
5 渡辺啓太投手(NTT東日本)2試合0勝0敗0S0H 防御率4.50
6 永野将司投手(ホンダ)1軍出場なし
楽天(17勝29敗1分、4.5差)
1 近藤弘樹投手(岡山商大)1軍出場なし
2 岩見雅紀外野手(慶応大)5試合9打数0安打0本塁打0打点 .000
3 山崎剛内野手(國學院大)1軍出場なし
4 渡辺佑樹投手(横浜商大)1軍出場なし
5 田中耀飛外野手(兵庫ブルーサンダーズ)1軍出場なし
6 西巻賢二内野手(仙台育英高)1軍出場なし
7 寺岡寛治投手(BC石川)1軍出場なし
最多の4人がデビューを飾っているのがオリックス。田嶋は即戦力の前評判通り、開幕からローテに入って5勝をマークし、6勝のアルバースとともにチームの柱となっている。福田、山足もレギュラーとはいかないまでも、チームの戦力に。千葉ロッテも3人がデビューし、藤岡裕は遊撃の定位置を掴み取っている。
北海道日本ハムは清宮が注目を集めるが、むしろチームに大きく貢献しているのはドラフト2位の西村。中継ぎで目立たないポジションであるが、21試合に投げて1勝1敗1セーブ7ホールドをマークし、安定感が光る。
栗山英樹監督、吉井理人投手コーチら首脳陣により、登板過多にならぬように注意を払われながら起用されているが、勝ちパターンの一角で結果を残している。清宮はデビューから7試合連続安打と好スタートを切ったが、その後はプロの壁に直面。打率.179と苦しんでいる。
広島は12球団で唯一、新人の1軍出場なし
【セ・リーグ】
広島(27勝17敗1分)
1 中村奨成捕手(広陵高)1軍出場なし
2 山口翔投手(熊本工高)1軍出場なし
3 ケムナブラッド誠(日本文理大)1軍出場なし
4 永井敦士外野手(二松学舎大付高)1軍出場なし
5 遠藤淳志投手(霞ヶ浦高)1軍出場なし
6 平岡敬人投手(中部学院大)1軍出場なし
阪神(23勝21敗0分、4.0差)
1 馬場皐輔投手(仙台大)1軍出場なし
2 高橋遥人投手(亜細亜大)4試合2勝1敗0S0H 防御率2.92
3 熊谷敬宥内野手(立教大)4試合1打数1安打0本塁打0打点 1盗塁
4 島田海吏外野手(上武大)1試合0打数0安打0本塁打0打点
5 谷川昌希投手(九州三菱自動車)1試合0勝1敗0S0H 防御率6.75
6 牧丈一郎投手(啓新高)1軍出場なし
横浜DeNA(21勝21敗2分、1.0差)
1 東克樹投手(立命大)8試合4勝2敗0S0H 防御率1.84
2 神里和毅外野手(日本生命)39試合114打数28安打2本塁打6打点 .246
3 阪口皓亮投手(北海高)1軍出場なし
4 斎藤俊介投手(JX-ENEOS)1軍出場なし
5 桜井周斗投手(日大三高)1軍出場なし
6 寺田光輝投手(BC石川)1軍出場なし
7 宮本秀明内野手(パナソニック)21試合25打数4安打2本塁打2打点 .160
8 楠本泰史内野手(東北福祉大)9試合11打数0安打0本塁打0打点 .000
9 山本祐大捕手(BC滋賀)1試合0打数0安打0本塁打0打点
巨人(22勝23敗1分、0.5差)
1 鍬原拓也投手(中央大)1軍出場なし
2 岸田行倫捕手(大阪ガス)1軍出場なし
3 大城卓三捕手(NTT西日本)26試合49打数14安打2本塁打5打点 .286
4 北村拓己内野手(亜細亜大)1軍出場なし
5 田中俊太内野手(日立製作所)24試合18打数3安打0本塁打0打点 .167
6 若林晃弘内野手(JX-ENEOS)6試合6打数0安打0本塁打0打点 .000
7 村上海斗外野手(奈良学園大)1軍出場なし
8 湯浅大内野手(健大高崎高)1軍出場なし
中日(22勝24敗1分、0.5差)
1 鈴木博志投手(ヤマハ)22試合3勝1敗0S9H 防御率2.11
2 石川翔投手(青藍泰斗高)1軍出場なし
3 高松渡内野手(滝川二高)1軍出場なし
4 清水達也投手(花咲徳栄高)1軍出場なし
5 伊藤康祐外野手(中京大中高)1軍出場なし
6 山本拓実投手(市西宮高)1軍出場なし
横浜DeNAは最多5選手が、阪神も4選手が1軍デビュー果たす
東京ヤクルト(17勝26敗1分、3.5差)
1 村上宗隆捕手(九州学院高)1軍出場なし
2 大下佑馬投手(三菱重工広島)1軍出場なし
3 蔵本治孝投手(岡山商大)1軍出場なし
4 塩見泰隆外野手(JX-ENEOS)1軍出場なし
5 金久保優斗投手(東海大市原望洋高)1軍出場なし
6 宮本丈内野手(奈良学園大)1軍出場なし
7 松本直樹捕手(西濃運輸)3試合5打数0安打0本塁打0打点 .000
8 沼田拓巳投手(BC石川)1試合0勝0敗0S0H 9.00
セ・リーグでは横浜DeNAが最多の5人、次いで阪神が4人1軍デビューし、巨人も3人が1軍の試合に出場している。その中で、やはり輝くのは横浜DeNAだろう。1位の東がローテの一角を担い4勝2敗、防御率はリーグ2位の1.84をマークしている。
2位の神里もチームの戦力となり、7位の宮本はプロ入り初安打が初本塁打、その翌日には2試合連続本塁打を放っている。
阪神は高橋遥人投手が先発で2勝をマーク。ローテの関係上、昇格と降格を繰り返しているものの、その投球内容は先輩投手たちにもヒケを取らない。熊谷、島田は共に俊足を武器としたタイプ。
巨人は大城が26試合に出場し、打率.286も上々。小林誠司に次ぐ2番手捕手の位置を確保している。中日の鈴木博志は22試合に投げて3勝9ホールドをマークしており、チームのセットアッパーを担っている。
逆に12球団で唯一、1人もデビューしていないのが広島。戦力が充実しているチーム事情もあり、じっくりとファームでの育成に注力している。見渡せば、現時点で活躍を見せてくれているルーキーには、社会人出身者が目立つ。これから始まる交流戦。初めて異なるリーグの選手と対戦する場で、どのルーキーが球界を沸かせてくれるだろうか。
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