リン・ディン・ディン・ディン・ディンガ・リンガ・ディン……この文字を読んでメロディーが浮かび、体が動き出してしまったあなたはもう立派な「きつねダンス」中毒者! 北海道日本ハムファイターズが本拠地札幌ドームでの試合中、主に試合前半のイニング間イベントとしておこなっているきつねダンスが今、動画サイトやSNSで注目を集め、1度ダンス動画を見てしまうと何度も繰り返し見てしまう“きつねダンス沼”にハマる人が急増中なのだ。
頭から離れなくなるクセになるメロディーと、繰り返し見たくなるほどかわいいファイターズガール(球団オフィシャルチアチーム)のダンス。この気になる「きつねダンス」について球団の担当者の方に、またグラウンドで実際にダンスをしているファイターズガールのメンバーにお話をうかがった。
温め続けること2年…みんなで一緒に踊りたい!
今回お話をうかがったのは、ファイターズ スポーツ&エンターテイメントの尾暮沙織さん。どのようなきっかけで「きつねダンス」は誕生したのだろうか。
尾暮さん:「球団マスコットのフレップ(きつねをモチーフとしたマスコットでフルネームはフレップ・ザ・フォックス)にかけた音楽やパフォーマンスを作りたいと思っている中、2年前にこの楽曲を見つけ、いつか使える場面があればと温めていました。そんななか、今シーズンから球場演出を一新するにあたり、出すなら今だ! と企画提案をしました」
きつねダンスで使用しているのは、2012年に発売されたノルウェーのコメディーデュオ・Ylvis(イルヴィス)が歌う「The Fox (What Does The Fox Say?) 」。「きつねはどんな鳴き声?」と想像する鳴き声をシャウトし続ける内容で、発売当時全米シングルチャートをにぎわし、動画サイトで公開されたミュージックビデオは今日までで10億回(日本語字幕版で252万回)再生を越えるほどの大ヒットを記録した楽曲なのだ。尾暮さんはたまたまこの楽曲を見つけ、とても面白いメロディーで中毒性があると感じ、即決。
きつねダンスの振り付けも「The Fox」のミュージックビデオの中で踊られている振り付けに注目し、作られていったという。
尾暮さん:「オリジナルの振付もきつねをイメージしたとてもキャッチーな振付だったので、ベースは残しながら、初見でも真似しやすく、座りながらでも踊れるようなアレンジをしました」
このきつねダンスの人気に火がついた理由の1つでもあると言えるのが、球団公式YouTubeにあがっているダンス動画。「【噂のきつねダンス】俺たちはみんなと踊りたい」と題された動画では、フレップ、ポリー(球団マスコット)、ファイターズガールはもちろん、ファイターズの選手や、球団職員、さらに球場スタッフやファイターズファンも登場しダンスを踊る。みんなで踊ろう!と意図を込め、球団一丸となって作られたダンス動画だ。
特に、7名の選手(松本剛選手、石井一成選手、淺間大基選手、今川優馬選手、清宮幸太郎選手、野村佑希選手、田宮裕涼選手)のダンスは見もの。試合中のピリッとした表情とはうって変わって、少し照れながらも楽しそうに踊る姿はなんともかわいく、見ているこちらも思わず笑顔になってしまう。
尾暮さん:「撮影前からすでに選手間で話題になっていると聞き話をうかがったところ、特に松本剛選手が気に入ってくれていて、踊りませんか? と提案したところ、是非やりたい! と承諾してくれました。さらに、松本選手が『俺が踊る人を選ぶ!』と選手の人選もしてくれ、撮影時には教えなくてもすでに振付をマスターしていて、ノリノリで踊ってくれました。いまや松本選手は、FOXディレクターになりつつあります」
撮影時、思わず笑ってしまったエピソードを尋ねた。
尾暮さん:「やはり、淺間選手のキレの良さに撮影時は爆笑が続き、周りの選手もつられるかのように踊っていました。あとは、まさかのNG無しで、一発OKだったことです」
目指すはファイターズの試合中の名物に
今や人気のきつねダンスだが、お披露目当初からよいリアクションばかりではなかったという。
尾暮さん:「初めて披露した日は、ファンの皆さまも大きなリアクションは無く「なんだこの曲とダンスは?」と不思議な顔で見ている印象でした。その後、パーソル パ・リーグTVでの公開、球団公式動画の配信後は、きつねダンスのタイミングになると、これがあの噂の...…! といった感じで前のめりになって見てくださったり、同じように踊ってくださる方が格段に増えました。この曲がかかれば自然と身体が動き出し、球場一体となって踊るようになることが一番の楽しみです。ファイターズの試合中の名物にしていきたいと思っています」
最後にパ・リーグファンの方、そして交流戦で初めて目にするセ・リーグファンの方へ。
尾暮さん:「イニング間、束の間の一息として、きつねダンスはいかがでしょうか。ポイントは、恥ずかしがらずに全力で踊ることです。ファンの皆さまが踊る、思い思いのきつねダンス、楽しみにしています!」
交流戦期間中の今、きつねダンスの時間だけは、セ・パファンの垣根を超えてみんなで楽しむ光景が見たいものだ。
きつねダンスで笑顔と楽しい時間を共有したい
続いて、グラウンドできつねダンスを踊るファイターズガールのみなさんにもお話をうかがった。今回はチームを代表してキャプテンの濱野亜里紗さんが回答。きつねダンスの振り付けを初めて見た時の感想、振り入れ後に踊ってみての感想をうかがうと、
濱野さん:「独特で特徴的な振り付けに、このダンスをイニング間に踊るんだと少し驚きました...…けど、実際に踊ってみると自然とみんなが笑顔になっていて、踊れば踊るほど楽しくて癖になるんです。その後グラウンドで初めて披露させていただいた時は、感じたことのないどよめきと静けさに少し戸惑いましたが、ファンのみなさんに一緒に踊ると楽しいですよ! ということを届けたい気持ちが強くなりました」
インパクトのある曲とダンスに驚いたようなざわめきをスタンドから感じた当初。しかし徐々に反応は変わっていったという。
濱野さん:「きつねダンスを知ってくださる方が増えてきてからは、最初とは違うお楽しみの時間がきた! というようなざわめきに変化したような気がしています。グラウンドからファンのみなさんの表情や動きが良く見えるのですが、一緒に踊ってくださったり、私たちとお揃いのきつねの耳をつけてくださったり、なによりみなさんのたくさんの笑顔を見ることができて私たちもうれしく感じています」
スタンドの雰囲気もファンの方からのどんなリアクションにも、グラウンドに立つ以上全てダイレクトに受けた状態でパフォーマンスをせざるを得ない。当初はなかなか受け入れられない空気の中でダンスするも、戸惑いの表情は一切見せず「一緒に踊ると楽しいですよ!」と笑顔で伝え踊り続けたからこそ、彼女たちのダンス動画はたくさんの人の目に止まり、きつねダンス人気のきっかけをつくった。最後にパ・リーグファンの方へコメントをお願いした。
濱野さん:「まだまだ制限のあるなかでの観戦スタイルですが、チームを越えてファンのみなさんと一緒にきつねダンスで笑顔と楽しい時間を共有したいです!これからもパ・リーグを盛り上げていきましょう! 札幌ドームでお待ちしております!!」
さぁ、みんなで一緒に沼にハマりましょう。リン・ディン・ディン・ディン・ディンガ・リンガ・ディン……
文・池田紗里
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