【試合戦評】侍ジャパン、第4回WBCは準決勝敗退。アメリカに惜敗し、2大会ぶりの王座奪還ならず。

パ・リーグ インサイト

2017.3.22(水) 00:00

日本時間3月21日、アメリカのドジャースタジアムで第4回ワールド・ベースボール・クラシック2017(以下WBC)準決勝第1戦が行われ、プエルトリコ代表がオランダ代表を破り、一足先に決勝ラウンド進出を決めた。そして22日の準決勝第2戦。ここまで無敗で勝ち上がってきた侍ジャパンを迎え撃つのは、19日の試合でドミニカ共和国を破った強豪・アメリカ代表。

侍ジャパンは、準決勝の前に行われたカブスとドジャースとの練習試合で連敗を喫し、アメリカでプレーする選手のレベルの高さを思い知らされている。日本とは異なる環境が不利に働く可能性も高いが、第1回、第2回大会時の侍ジャパンも、それを乗り越えて世界一に輝いた。単純なパワーや球の速さでは敵わないとしても、11年前と8年前のように、ベースボールの聖地で野球の意地を見せてほしい。

侍ジャパンの先発は抜群の安定感を誇る巨人の菅野投手、アメリカの先発は昨季メジャーリーグで16勝を挙げたロアーク投手で試合が始まった。

菅野投手は初回、中田選手の好守にも助けられ、11球で3者凡退の立ち上がり。2回も150キロを超える直球に曲りの大きいスライダーなどを織り交ぜて3者凡退、3回は3塁に走者を背負うものの無失点。この大舞台でも落ち着いた投球で上々の立ち上がりを見せる。

一方の打線は1回、3回とともに得点圏に走者を置くも、決定打を放てず。先制点が奪えない状況が続く。

試合が動いたのは4回表。1死から失策と四球で2死1,2塁のピンチを招き、適時打を浴びて先制を許してしまう。しかし、なおも続くピンチを菅野投手が直球で抑え込み、最少失点で踏みとどまる。

何とか反撃を見せたい打線は、6回裏に1死から2番・菊池選手が追い込まれながら右中間へのソロ。ミスを見事に取り返す価値ある一発で試合を振り出しに戻す。

7回表からは、2番手の千賀投手が登板。メジャーリーグで活躍する打者を相手に、圧巻の3者連続三振。しかし8回表に連打を浴び、勝ち越しとなる1点を奪われる。最終回は3投手を費やし追加点を封じるが、その裏の攻撃で打線が反撃ならず、1対2で惜敗。侍ジャパンの2大会ぶりとなる王座奪還の悲願は叶わず、日本の第4回WBCは準決勝敗退で幕を閉じた。

結果的に敗北を喫したが、一流のメジャーリーガーが居並ぶアメリカを相手に、侍ジャパンは善戦を見せた。代表初選出の選手が多いチームでありながら、準決勝まで全戦無敗というのは紛れもない快挙である。これから選手たちはそれぞれのチームに戻り、新シーズンに向けた調整に入る。無念の敗北となったものの、日の丸を背負い世界を相手に戦い抜いた侍ジャパンの、すべての選手の健闘を讃えたい。

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