昨年12月のオーディションを受験「合格と聞いたときはびっくり」
地域から愛され、絶大な人気を誇る北海道日本ハム球団公式チアリーダー「ファイターズガール」のメンバー紹介。第2回は、倍率19倍のオーディションを突破して、看護師から転身した濱野亜里紗さん(25)に迫る。
身にまとうものが白衣からコスチュームに変わっても、柔和な笑顔は変わらない。入場者のお出迎えでは、ファン一人一人に丁寧に声をかけていく。「人と関わる仕事が好きなんです」と言う濱野さんにとって、ファイターズガールへの転身は10年前からの夢だった。
15歳の時に初めて札幌ドームで試合観戦して、魅了された。
「ドキドキ、ワクワクしてチームのことが好きになりましたし、グラウンドでファイターズガールが踊っている姿を見て、楽しそうだと思いました」
深川西高卒業後は看護師を目指し、紋別市の看護学校に進学。卒業と同時に札幌市内の総合病院に勤務したが、札幌ドームで見たあの光景を忘れることはできなかった。「チャレンジしないで後悔することは嫌でした。挑戦するのは今しかないと思いました」。看護師になって3年経ち、一区切りという思いもあった。「年齢的にも最初で最後」と昨年12月のオーディションを受験した。
小学生の頃にクラシックバレエを習っていたとはいえ、本格的なダンス経験はない。振り付け審査では、苦労しながらもギリギリまで確認作業を行いながら臨んだ。「所々、怪しいところもあったかもしれませんが、精一杯やりました。周りはダンスがうまい若い子たちがたくさんいたので、合格と聞いたときはびっくりしました」と振り返る。
高校時代は陸上部に所属、グラウンドに飛び出すスピードは誰よりも速い!?
コミュニケーション能力と人柄が高く評価された。審査に関わった球団事業統轄本部ゲストリレーション部試合運営グループの尾暮紗織さんは「柔らかくて親しみやすい雰囲気が気に入りました。お子様からご年配の方まで幅広くコミュニケーションを取るのが上手です」と濱野さんの魅力を語る。
今季若返ったファイターズガールの中で年齢は上から2番目。社会経験豊富なお姉さんとして、チームの潤滑油的な存在にもなっている。
合格を機に、3年間務めた病院を今年3月末で退職し、新しい世界に飛び込んだ。ダンスのレッスンに明け暮れながらも笑顔が絶えない。「踊るのが本当に好きで、楽しいです。遅れて青春を楽しんでいる感じです」と笑う。
高校時代は陸上部に所属し、走り幅跳びで全道7位、400メートルリレーで8位入賞したアスリート。快足の持ち主だけに、グラウンドに飛び出すスピードは誰よりも速く、遠目に見てもひと目でわかる。その抜群の運動神経と情熱で、ダンスの腕もメキメキ上げている。
ファイターズガールとしての喜びを実感するのは、応援ステージでファンと一体となって盛り上がっている時だという。「得点した時に、喜びを分かち合える瞬間がうれしいですし、楽しいです。今よりもっと踊れるようになって、お客様に喜んでもらえるように頑張りたいです」と話す言葉に力がこもる。
夢は、優勝パレードに参加すること。ファンと一体となった全力応援で2年ぶりの優勝を後押しする。
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