高卒5年目右腕・本田仁海が最速158キロを武器に1回1安打無失点の好投
■オリックス 3ー0 北海道日本ハム(17日・ほっと神戸)
オリックスの本田仁海投手が17日、ほっと神戸で行われた北海道日本ハム戦で嬉しいプロ初勝利をマークした。7回から4番手としてマウンドに上がり最速158キロの直球を武器に1回1安打無失点。開幕前にリリーフに転向した右腕がブレークの兆しを見せている。
高卒5年目右腕が無心で腕を振った。両チーム無得点で迎えた7回。先頭のアルカンタラを140キロのフォークで空振り三振、続く浅間には遊撃内野安打を浴びたが後続を打ち取り無失点。自己最速158キロをマークするなど伸びのあるストレートで打者を抑え込んだ。
その裏に味方打線が2点を奪いプロ初勝利が転がり込んだ。8日の楽天戦(同)でプロ初ホールド、15日の千葉ロッテ戦(京セラドーム)ではプロ初セーブ。自身3試合連続で“プロ初”を記録した。登板を重ね着実にステップアップしているが「どれも全て嬉しい気持ちは変わりない」と冷静だった。
ドラフト4位も1年目オフに育成契約、19年に支配下復帰も昨季まで1軍は3試合
苦労人がブレークの兆しを見せている。2017年のドラフトでは4位指名を受けオリックスに入団。だが、ルーキーイヤーの2018年9月に右肘を骨折しオフには一度、自由契約となり育成で再契約。リハビリを重ね2019年7月に支配下に復帰しエース・山本由伸に似た投球フォームに変更するなど試行錯誤を続け、昨年までの1軍登板はわずか3試合に留まっていた。
だが、今季はシーズン直前にリリーフに転向。元々150キロを越える直球が武器だったが、ストレートのキレ、ノビは格段に上がった。自信を持って投げ続ける“剛球”に「リリーフをやったことで腕を振り切ることが今まで以上にできている。それが今の結果に繋がっている」と、短いイニングを全力で投げるスタイルがハマったことを明かした。
試合終了後には9回を締めた平野佳から記念のボールを手渡された。初セーブ、初勝利を挙げた記念のボールは「今まで支えてくれたお母さんのところに送ろうと思います」と、女手一つで育ててくれた母・もえみさんにプレゼントするつもりだ。
このままの調子を維持すれば“勝利の方程式”入りも十分に見えてくる。それでも「任された場面で勝利に繋げられるピッチングができればいい」と慢心はない。プロ入り直後から試練を乗り越えた右腕がチームの救世主になる日も近い。
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