藤本監督が指摘していたチャンスでの積極性
■福岡ソフトバンク 9ー3 オリックス(5日・PayPayドーム)
福岡ソフトバンクは5日、本拠地PayPayドームでオリックスと戦い、9-3で快勝して3連勝を飾った。同点で迎えた6回に柳町達外野手の2点適時打で勝ち越すと、7回には一挙6得点のビッグイニング。先発の和田毅投手が5回1失点と好投すると、2番手で3イニングを無失点に抑えたコリン・レイ投手が今季2勝目をマークした。
いま売り出し中の若鷹が試合を決めた。同点で迎えた6回だ。先頭の柳田が四球を選んで出塁すると、続くグラシアルの二ゴロが野選となりチャンスが拡大。中村晃がきっちりバントを決めて1死二、三塁となると、打席に立った柳町はワゲスパックの初球、151キロを左中間に弾き返した。2人の走者が生還。勝ち越しの適時二塁打となり、これが決勝打となった。
2回の第1打席は見逃し三振、4回の第2打席でも空振り三振に倒れていた柳町。「2三振していましたし、チャンスだったので初球から振って、なんとか前に飛ばしたいと意識していました。いいところに飛んでくれました」。2019年のドラフト5位で慶大から入団し、プロ3年目で初めて立った本拠地のお立ち台で笑顔が弾けた。
日々の成長をグラウンド上でもしっかりと表現している。前日の試合後、藤本博史監督はこう話していた。「柳町にしても、三森にしてもチャンスだったら、もうガッついていくぐらいの気持ちでいいんじゃないかなと」。指揮官が注文を付けていたのがチャンスでの打席での姿勢。慎重になり、ボールを見ていきがちなところを指摘していた。
2軍で昨季も見ていた藤本監督「安打というところに限ったらナンバーワンだった」
柳町本人も藤本監督ら首脳陣からこの積極性を求められたという。試合前にはチーム全体にも森浩之ヘッドコーチから指示が飛んだ。「見ている方がそう感じているということは結果的にそうなっていたのかな、と」。ファーストストライクから積極的に打ちに行くことを意識して打席に入った。そして、狙い通りに初球を仕留めて、決勝の適時打につなげた。
栗原陵矢外野手の負傷離脱もあって増えた出場機会でアピールを続ける。まだ外野のレギュラーを掴んだわけではなく「1日1日アピールする気持ちでやっているのがいい形に出ている」という。これで10試合連続安打となり、うち6試合がマルチ安打。まだ規定打席には足りていないものの、今季は24試合で69打数27安打で打率.391。リーグトップの北海道日本ハム・松本剛外野手を上回っており“隠れ首位打者”となっている。
去年は2軍監督として柳町を見てきた藤本監督も「やっぱり安打というところに限ったらナンバーワンだった。1軍にいっても、2割7、8分は打つんじゃないかなと思っていた。調子いいときこそ今日みたいなタイムリーですね。得点圏でもっともっと目立って欲しいです」期待を口にする。栗原の穴を埋める働きを見せる柳町。日々、頼もしさが増す楽しみなヒットメーカーだ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
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