3月25日に開幕してからおよそ1カ月が経過し、ここまで各球団に差はあるもののシーズンの1/6ほどが経過した。「開幕ダッシュ」という言葉があるが、この時期の順位はシーズンに与える影響が大きいのか。そこで今回は、「4月終了時の順位」と「シーズン順位」の関係性を探る。
なお、開幕が延期された11年と20年を除いた、「10年〜21年までの計10シーズン(以下、過去10シーズン)」の記録をもとに計算している。
ペナントレースは「先手必勝」。しかし油断は禁物
調べてみると過去10シーズン、4月終了時に首位だったチームは“100%”の割合でAクラス入りしている。順位別に見ると、そのまま優勝を果たしたのは2チーム(12年・北海道日本ハム、18年・埼玉西武)、2位終了は5チーム、3位終了は3チームだ。現在首位の東北楽天はどこまでこの調子を維持できるか。
また、4月終了時に2位、3位と上位につけていたチームも同様に、シーズン終了時の順位は高い傾向。Aクラス入りした割合はともに6〜7割で、最下位に転落したケースに至っては「0」である。長いシーズンの最初の1カ月に過ぎないが、まさにペナントレースは「先手必勝」と言えるだろう。
この結果を見れば、現在上位3チームのファンは安心するかも知れないが、油断は大敵だ。12年の千葉ロッテは4月終了時2位だが、最終順位は5位。昨季の福岡ソフトバンクも4月までは2位と好位置でスタートしたが、故障者も相次いで最終順位は4位と、13年以来8年ぶりのBクラスに甘んじている。あくまで“過去の傾向”なので、参考までにデータをご覧いただきたい。
ではその一方で、下位スタートから逆転し、Aクラス入りを果たした球団はどれくらいあるのか。後編ではそちらを見ていこう。
文・小野寺穂高
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