埼玉西武・秋山翔吾、“左対左"構わず初球3ラン。頭の中は「スライダーか真っ直ぐか」

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2018.5.25(金) 16:55

埼玉西武ライオンズ・秋山翔吾(C)Full-Count
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2点ビハインドの6回に嘉弥真から起死回生の逆転3ラン

文字通り、起死回生の1発だった。24日、敵地ヤフオクドームで行われた福岡ソフトバンク戦。埼玉西武の秋山翔吾外野手が2点ビハインドの6回に逆転3ランを放つなど4安打4打点の大暴れ。チームも久々の2桁安打2桁得点で、約半月ぶりの連勝を飾った。

昨季は1勝しかできなかった鬼門のヤフオクドームでカード勝ち越し。試合後、秋山は「去年やらているのはもちろん分かっているし、チャンピオンチームのホームで勝てなかったら自分たちの力は上がっていかないと思う。やられている意識はあるんで、勝つことでチームは成長していると思う」と話した。

殊勲の一打は6回に生まれた。2死から炭谷、金子一の連打でチャンスを作り、打席に立った秋山。ここで福岡ソフトバンクベンチは2番手の二保旭から、左キラーの嘉弥真新也への継投に出た。

その嘉弥真が投じた初球、甘くなったスライダーを秋山は逃さなかった。快音を残した打球は右中間スタンドへ。2試合連発となる7号3ラン。試合をひっくり返す一発になった。

打ったのは、鷹の“左キラー"が投じた初球だった。左対左、しかもサイドハンドという変則左腕のボールを1球で仕留めるのは、なかなか至難の業だ。試合後、秋山はこう語った。「ピッチャーは代わるだろうと思っていましたし、いい結果になりましたね」。あの場面で左腕が出てくるのは、想定内だった。

では、初球のスライダーを狙っていたのか。「狙ってはいないですね。早めに前に飛ばしたいなと思っていたのはありましたけど。(スライダーは)頭にはありましたよ、もちろん。真っ直ぐかスライダーどっちかだと思って入っているんで、ただ100パーセント絞ってとかはないです」。真っ直ぐ、スライダーの2択。甘く入ってきたところを逃さなかった。

この一発には、試合を視察に訪れていた侍ジャパンの稲葉篤紀監督も舌を巻いた。「(左対左で一発で仕留めるのは)難しいですね」と感心する様子を隠さず。

「常日頃から、逆方向に打ったりとか、しっかりと自分はこうやっていくんだというのを崩さずにずっとやっていっている。結果が出ない時に色々と試すのは大事でしょうけど、秋山選手くらいになると、コレというものがあって、それをとことんやり通す。そういうものがあるので、そういうところから一発で仕留められるものに、より確実に捉えられるようになっていっているんだなと思いますね」と語った。

3回の第2打席に内野安打、6回に3ラン、そして8回には二塁打を放った。サイクル安打に残り三塁打となると、9回にはこの日の6打席目が回ってきた。結果は中前適時打で記録達成はならなかったが、「今まで、そんなのを狙っていいことはなかったので。何も意識してなかったですね。チームがヤフオクドームで勝つっていうのは特に意識するべき試合だったので、自分のことは今言われて、そうだなと思いました」と淡々。

個人の記録以上に、昨季苦戦していた敵地でチームが勝ち越したことがうれしそうだった。

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