新井氏「キレの直球と、良いフォークがあれば打者は苦労する。それを証明した」
■北海道日本ハム 1ー0 千葉ロッテ(17日・ZOZOマリン)
千葉ロッテの佐々木朗希投手が17日、ZOZOマリンスタジアムで行われた北海道日本ハム戦で完全試合を継続したまま8回で降板した。試合は延長10回に万波中正外野手がチーム唯一の安打となる決勝ソロを放った北海道日本ハムが1-0で勝利。オリックス、福岡ソフトバンク、広島で打撃コーチなどを歴任した野球評論家・新井宏昌氏は「記録を作らせなかったのは上沢の好投」と、見応え十分の投げ合い演じた北海道日本ハムのエースを称えた。
2試合連続で完全投球を見せた佐々木朗も凄かったが、北海道日本ハムの先発・上沢直之投手も遜色ない投球を披露した。3回こそ先頭の松川に中前打を浴び、2死となってから中村奨に左翼線二塁打を許して二、三塁のピンチを背負ったものの、レアードを左飛に抑えて無失点。その後は危なげない投球で7回4安打無失点8奪三振の好投を見せ、佐々木朗と共にスコアボードにゼロを並べ続けた。
この日は佐々木朗が160キロを超える直球と落差の大きいフォークを武器に8回14奪三振。2試合連続での完全試合達成に注目が集まったものの、8回102球でマウンドを降りることに。新井氏は「記録を作らせなかったのは上沢の好投だと思います」と語り、千葉ロッテ打線に得点を許さずに、緊迫した投手戦に持ち込んだ上沢の投球を絶賛した。
佐々木朗がどれだけ快投を見せても、打線の援護がなければ完全試合は成立しない。千葉ロッテ打線に決定打を許さず、息詰まる投手戦を作った。無得点の状況が続けば、相手投手にかかる重圧、疲労も大きくなるというもの。結果的に8回でマウンドから引き摺り下ろすことにつながった上沢に「スピードこそ違うが同じタイプの投手。2人の投球をみているとキレのいい直球と、良いフォークがあれば打者は苦労する。それを証明した」と賛辞を送る。
千葉ロッテ打線は6安打無得点。一方で北海道日本ハムは延長10回に万波が放ったソロ本塁打の1安打だけで延長戦を制した。上沢に勝ち星はつかなかったが、勝利を呼び込んだのは間違いなくエースの好投だった。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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