「試合で投げてプロで通用するにはもうちょっと経験が必要だろう、と思っていた」
福岡ソフトバンクは7日、育成選手だった田上奏大投手と支配下契約を結んだと発表した。昨オフに支配下契約から育成契約となっていたが、わずか5か月での支配下に復帰。想定外の早期での支配下復帰に、三笠杉彦GMも「フロントの見立て違いだった」と語った。
2020年のドラフト5位で履正社高から福岡ソフトバンクに入団。高校時代の本職は外野手だったものの、練習試合で最速151キロをマークしたポテンシャルが評価され、投手としてプロ入り。ただ、投手としてのキャリアが浅く、球団は時間をかけて育成するために、異例とも言える1年目のシーズン終了後に育成再契約となっていた。
だが、田上の成長スピードはフロントの想像を超えた。ウエスタン・リーグの開幕戦で“開幕投手”を任され、ここまで2試合10イニングを投げて、わずか1失点。5か月での支配下復帰に三笠GMは「去年1年目で良い活躍をしてくれたものの、将来的な活躍を期待するという見解を持って、じっくり成長をしてもらおうということで育成契約にさせてもらったところだった。ポテンシャルはあるけど、試合で投げてプロで通用するにはもうちょっと経験が必要だろう、と思っていた。フロントの見立て違いというか、若い選手の成長の速さ、とても嬉しいサプライズになった」と語った。
チーム側、フロント側の意見が一致しての支配下登録に。「従前から話している通り、我々は1軍に貢献できる力があると評価して支配下にしている。4月でそこに達したと評価をさせてもらった。成長しながら球界を代表する選手になることを期待したい。ファームで1番良いボールを投げていて、最も1軍で通用しそうな選手ということ」と三笠GMは説明していた。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
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