台湾楽天に加入した昨季後期は6試合に先発して1勝5敗、防御率6.52と苦戦
2020年まで千葉ロッテに在籍し、2021年7月に台湾プロ野球・楽天モンキーズに入団した陳冠宇(チェン・グァンユウ)投手。昨シーズン後期は6試合に先発し1勝5敗、防御率6.52と満足のいく結果が残せなかった。不振の原因はどこにあったのか――。そして、リベンジを期す今シーズンへの意気込みを聞いた。
シーズン後半は2軍生活を送り、台湾球界1年目は苦しんだ。台湾の気候に慣れるのに時間がかかり、日本と台湾の打者の違いにも対応できなかった。
「台湾は暑いので、水分不足で体力を消耗し、試合の後半で握力がなくなることがありました。それを改善するため、水分補給に気をつかっています。台湾の打者と対戦して感じたことは、日本の打者は1球、1球全て狙っていく姿勢が感じられましたが、台湾の打者は失投を見つけて、狙いを絞ってくる。更に当てていく技術が高いので、その対応に苦労しました」
今シーズンは、失投を減らすことに重点を置いて取り組んでいる。昨年は先発以外にも15試合に中継ぎとして登板。千葉ロッテでも中継ぎとして活躍したが、先発で勝負したいと話す。
目標は試合を作ること「シーズン通して120イニング以上投げる」
「カウントが悪くなると、打者は狙ってくる。塁上にランナーがいるか、いないかでも数字が変わってくるので、データを理解した上で投球したいです。昨年は春季キャンプもできなかったですが、今年はキャンプから参加できている。昨年台湾の打者と対戦した経験もあるので、改善できると思っています」
台湾プロ野球の2022年シーズンは4月2日に開幕。打撃の援護によって変わるため勝利数の目標は設定しておらず、試合を作ることにこだわっていきたいという。
「シーズン通して120イニング以上投げ、1度の登板については5~6回は投げたい。そして、登板した試合の3分の2はクオリティスタートを達成したいと思っています」
日本に比べ“打高投低”の傾向にあり、試合時間が長くなる日も多いが「勝つために打ってくれるのは嬉しい話なので、打者のリズムに乗っていけるようにしたい」と苦にしていない。環境に慣れた今シーズンの活躍を、日本のファンも期待している。
(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)
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