2023 PLAY BALL!〜谷口雄也が綴る、Fビレッジ・カウントダウン〜 毎日がハプニング 私が選んだセカンドキャリアと現在地

ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 谷口雄也

2022.2.28(月) 17:30

 2021年シーズンをもって現役を引退。球団職員としてセカンドキャリアを歩み出した谷口雄也さんが、2023年開業「北海道ボールパーク Fビレッジ」誕生までの軌跡を綴ります。

◇ ◇ ◇

 手放せないものが野球道具からパソコンに変わり、着るものはユニフォームからスーツに変わりました。

 こんにちは、谷口雄也です。

 11年間の現役生活を終え、今年から北海道日本ハムファイターズの球団職員としての活動が始まりました。

 職員はみんなどこを見渡しても忙しく動き回っています。
ひとつのグッズにたくさんの人が携わり、そのグッズをどう売る? 在庫は? 値段は? ポスターに載る選手の表情、字体。スポンサー様とのつながり。BIGBOSSをはじめ、個々の選手のブランディングをどう進めるのか。ファンクラブは? シーズンシートは?

 すべてを書き出そうとしてもキリがありません。

 毎日、頭の中でハプニングが起きています。野球ばかりの人生を送ってきたので、当たり前ですよね。

 そんな野球ばかりのプロ野球人生を振り返ってみます。自己紹介です。

 ファイターズには2011年に入団しました。斎藤佑樹さんや西川遥輝選手(楽天)など、当時のアマチュア野球界で名を馳せた人たちが同期です。

 当時の主力といえば、ダルビッシュ投手(パドレス)、稲葉篤紀GM、金子誠さん(野手総合コーチ兼打撃コーチ補佐)、小谷野栄一さん(オリックス野手総合兼打撃コーチ)、田中賢介SA、糸井嘉男さん(阪神)などなど……。とにかくタレント揃いで、どのポジションも埋まっていました。

 1年目はファームで土台作り。プロ野球のレベルの高さに戸惑っていた毎日でした。2年目でプロ初安打。初出場の試合では補殺を記録しました。年々、出場試合数が増えて2014年にシーズン半数の72試合に出場し、2016年にはリーグ優勝、日本シリーズ制覇の一員に。しかし、翌2017年に前十字靭帯を断裂し、シーズンを棒に振る大ケガを経験しました。寝たきりの生活から歩く練習、私生活ができるまでのリハビリ、そしてプロ野球選手のレベルに戻るためのトレーニング。とても大変でしたが、ここまで選手でいられたのも、トレーナーさんたちのおかげです。

 11年で打ったヒットは140本。

 そのうち、ケガから一軍に復帰して記録したヒットはたったの15本です。頭で思い描いていることを身体で表現できるようになったのも、怪我をして自分と向き合う時間が増えたからこそ。心身ともに成長できた時間でした。

 レギュラーを張っていたわけでも、誇れる数字を残したわけでもありません。11年間も野球選手でいられたのは、ファイターズファンの皆様の応援があったからこそです。

 ファイターズにも私自身の価値を高めていただきました。引退すると決めた翌日には現役最後の打席を与えていただき、ファンフェスティバルでは引退セレモニーもしていただきました。

 選手生活は決して華やかではなかったですが、開幕スタメン2回、リーグ優勝2回、日本シリーズ出場、日本一。限られた選手しか着けることのできない一桁の背番号。とても中身の濃い時間でした。

2021年10月26日@札幌ドーム
2021年10月26日@札幌ドーム

 そして現在。

 選手時代から一貫して感じてきたことを体現できるチャンスをいただきました。選手や野球にスポットを当て、さらに私自身を成長させてくれたチーム・球団の一員に。覚えることが多く苦戦しながらも、過ぎていく時間はとても新鮮なものです。

 大きな軸は、未来のプロ野球選手を教えるアカデミー事業と、2023年開業の「北海道ボールパーク Fビレッジ」のPR業務です。

 まずはアカデミー事業。子どもたちに現場で触れ、野球の技術力体力の向上はもちろん、自分の目標達成のために向かっていく姿、人とのふれあいの大切さなど……子どもたちには可能性を広げてほしい。私がこれまで経験してきたことを踏まえ、勉強しながら伝えていこうと思います。

 そして、なんといっても北海道・北広島に建設される「Fビレッジ」や新球場「エスコンフィールド HOKKAIDO」のPRです。

 32ヘクタール(東京ドーム6個分)という大きな敷地に、5ヘクタール分の広さを誇る新球場の概要やボールパーク内の情報を発信してきます。プレーヤーとしてグラウンドに立つことは叶いませんでしたが、選手、野球ファン、北海道民、いろいろな立場で独自の視点から紹介できるはず。全国の野球ファンやファイターズファンの皆さんをはじめとして、多くの方々に「行ってみたい!」と思っていただけるようなものを、この連載でお届けします。

文・谷口雄也
写真・球団提供

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