2016年に北海道日本ハムで共に戦った右腕バースが証言
投打にわたる大活躍でアメリカに二刀流センセーションを巻き起こしているエンゼルスの大谷翔平投手。打ってよし、投げてよし、走ってよし。そのオールマイティぶりは衝撃的だが、現在カブス傘下マイナーでメジャー昇格を目指すかつての盟友は23歳二刀流を「10ツールプレイヤー」と称賛。完璧な野手「5ツールプレイヤー」の2倍と言ってもいい、圧巻の万能ぶりを証言している。米紙「デモイン・レジスター」が報じている。
メジャーで旋風を巻き起こしている大谷を絶賛するのは、2016年に北海道日本ハムで一緒に日本一を勝ち取ったアンソニー・バース投手だ。その年、37試合に投げて8勝8敗6ホールドと活躍した右腕は、日本シリーズでも5試合に救援登板して3勝、防御率0.00という強烈なインパクトを残した。
2017年にレンジャーズと契約して米復帰を果たしたバースは、現在カブス傘下3Aでメジャー昇格を目指す。今季11試合に登板し、0勝1敗2セーブで防御率2.51と奮闘する30歳右腕は、かつてのチームメートについて「僕は彼を10ツールプレイヤーと呼んでいるんだ。投打両方で活躍するんだから、まるでテレビゲームに出てくる架空のプレーヤーみたい。何でもできるし、見ていて楽しんだ」と高く評価しているという。
MLBのスカウトたちは、選手の能力を5つのスキルに分けて評価する。野手では、打撃技術、パワー、走塁とスピード、守備、送球の5項目を数値化するが、全てでトップクラスの評価を得る選手を「5ツールプレイヤー」と呼ぶ。エンゼルスのマイク・トラウト外野手はその最たる例だが、二刀流で投打の活躍をする大谷は、通常の2倍の「10ツール」を誇るというのだ。
「球場で見る才能は明らかに現実離れしたものだ」
北海道日本ハム移籍前は大谷について何の予備知識もなかったバースは、選手たちが大谷の話をしても「へぇ、そうなの」と軽く受け止める程度だったという。だが、そのプレーを目の当たりにし、度肝を抜かれたそうだ。
「500フィート(約152メートル)近く打球を飛ばして、一塁まで4秒以内で走り抜け、時速100マイル(約161キロ)の豪球を投げる姿を目の当たりにした時にはもう…こいつは本物だ、とわかったんだ」
バースによれば、大谷が一流なのは投打走にわたる才能だけではない。2016年当時は21歳という若さだったが、その大谷が見せたあまりに高いプロ意識も忘れることができないという。
「彼は24時間野球に没頭するタイプの選手なんだ。いつでも球場にいて、球場外で見ることはないくらい。家と球場を往復するだけで、最高の野球選手になることだけに集中しているんだ。球場外でトラブルの元になりそうなことからは距離を置いている。そして、球場で見る才能は明らかに現実離れしたものだ」
二刀流を極め、世界最高の野球選手になるために全てを捧げる姿勢は、舞台をメジャーに移しても変わることはない。大谷翔平の流儀は、1年間北海道で共に戦ったバースの心にも深く刻まれているようだ。
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