1軍外国人選手枠から漏れている助っ人、鷹グラシアルは2軍で打率.426と大暴れ
NPBの1軍外国人選手枠は、4人。このうち投手、野手はそれぞれ最大3人とされている。この枠から漏れた外国人選手は、ファームでプレーを余儀なくされる。
NPB球団の多くは、外国人枠を上回る選手を抱えている。枠から外れた選手はリザーブとしてキープしているのだ。
特に年俸総額NPB1位の福岡ソフトバンクと2位の巨人ではリザーブ選手の存在が目立っている。成績は5月17日現在。
福岡ソフトバンクは、サファテが戦線離脱。主軸打者デスパイネ、先発投手バンデンハーク、救援投手モイネロで回している。さらに、昨年WBCベネズエラ代表として参加中に右ひじを痛め、4月にトミー・ジョン手術を受けた救援投手スアレスが投球を始めている。4人目の外国人に収まりそうな形勢だ。
しかし、ファームでは新外国人グラシアルが54打数23安打2本塁打15打点、打率.426と大暴れしている。ファームでは4番を打ち、守備でも一、三塁手としていい動きをしている。グラシアルの1軍出場は7試合だけ。デスパイネは打率1割台と低迷しているが、チームはその代役としての起用に踏み切っていない。
福岡ソフトバンクは昨年も、ジェンセンという内野手を獲得していたが、この選手も1軍では6試合だけだった。グラシアルもサブなのだろうが、1軍での活躍も見てみたいところだ。
巨人はヤングマンに加えて育成契約のアダメスらも活躍
巨人は野手は中日から来たゲレーロ、そしてマギー。投手は救援のマシソンとカミネロで固定しているが、ファームでは今季加入した右腕ヤングマンが完封1を含む7試合4勝2敗、防御率1.62という目覚ましい成績を残している。
また、育成ではあるがアダメスもクローザーとしてファームで14試合1勝1敗8セーブ防御率2.87、さらに内野手のホルヘ・マルティネスも104打数31安打4本塁打17打点、打率.298と活躍している。本来ならばアダメス、マルティネスともに支配下登録して1軍出場してもおかしくない成績だ。
巨人は昨年、ヤンキースで4番を打ったこともあるギャレットを1度も1軍にあげることなくファームでプレーさせた。また、シーズン中にはクルーズを内野で起用するために、クローザーのカミネロをファームに落とし、マシソンを抑えに回した。しかしマシソンが打ち込まれ、この配置転換は失敗に終わった。
「4人」という外国人枠がある前提で、それを上回る外国人選手を抱えると「好調なのに使えない」というジレンマに陥ることがままある。MLBではマイナーでの余剰選手はルール5ドラフトやトレードなどで移籍を促し、リーグ全体として選手を有効活用していく仕組みがあるが、NPBでは「ファーム暮らし」で終わることが多い。
リザーブに回っている外国人選手が、今後どんな起用をされるか、注目したい。
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