「パ・リーグ インサイト」では、7月27日から8月10日にかけて行われた「2021プロ野球エキシビションマッチ」(以下エキシビションマッチ)パ・リーグ6球団の成績を独自に集計。後半戦直前、各球団の仕上がりをチェックしよう。
※当ランキングは独自に集計したものであり、実際の数値とは異なる場合がございます。
鷹の新戦力・アルバレスが打率トップ。和田康士朗、藤原恭大、山口航輝ら鴎の若手も猛アピール
福岡ソフトバンクの新戦力・アルバレス選手が打率.400でトップに。4試合連続安打をマークするなど、日本野球に対応し、存在感を放った。打率2位には千葉ロッテの和田康士朗選手がランクイン。前半戦は代走や守備固めでの出場が主だったが、エキシビションマッチでは先発起用され、見事に結果で応えた。
打率3位、4位には埼玉西武の森友哉選手、山川穂高選手が名を連ね、仕上がりは順調な様子。前半戦を首位で折り返したオリックスでは、福田周平選手、T-岡田選手、杉本裕太郎選手が打率3割をマークしており、後半戦もチームを引っ張る活躍が期待できそうだ。
安打数では、千葉ロッテの若手3選手が上位にランクイン。和田選手は期間中トップの5盗塁、藤原恭大選手は同2位の4盗塁、山口航輝選手は2本塁打と、それぞれ強みを生かしてアピール。若手がそろって好調なだけに、後半戦開幕戦のオーダーが楽しみだ。
自身初タイトルを狙う島内宏明が絶好調。鷹・リチャードは9試合で2本塁打9打点の活躍
本塁打では6試合で4本塁打を放った楽天の島内宏明選手がトップ。以降は山川選手、T-岡田選手、杉本選手が3本塁打で2位タイと各チームの主砲が続く中、山口選手、福岡ソフトバンクのリチャード選手といった売出し中の若手もランキングに名を連ねた。
打点では島内選手、リチャード選手がトップタイの9打点をマーク。リチャード選手は打率こそ.226と苦しんだが、得点圏で迎えた打席では、勝負強いバッティングを見せていた。
後半戦開幕投手の成績は??
北海道日本ハム・加藤貴之投手は2試合に登板、8回を投げて5安打2失点の好投を見せている。千葉ロッテ・二木康太投手も9回で2失点と好調な様子だ。オリックス・宮城大弥投手は5回9奪三振、福岡ソフトバンク・石川柊太投手は4.2回で7奪三振、岸孝之投手は6回7奪三振と、3投手ともエキシビションマッチ1試合の登板ではあったが、順調な調整ぶりを見せた。
一方で埼玉西武・松本航投手はやや不安を残す結果に。1試合目の登板は4回4安打6奪三振無失点にまとめたが、2登板目となった8月3日の広島戦では。3回6安打2四球1本塁打4失点と崩れた。後半戦開幕戦では、安定した投球を見せたいところ。
エキシビションマッチで登板数が多かった投手
登板数は、埼玉西武・ダーモディ投手、千葉ロッテ・土居豪人投手、福岡ソフトバンク・高橋礼投手、甲斐野央投手が5登板で1位タイに。特筆すべきは甲斐野投手だろう。前半戦は一軍での登板はなく、ファームで13試合に登板していた。エキシビションマッチの防御率は3.60とやや不安を残す成績だったが、ルーキーイヤーの2019年以来となる一軍登板が期待できそうだ。
他には前半戦で防御率8.04と苦しんでいた楽天のブセニッツ投手が4試合で防御率0.00をマーク。福岡ソフトバンクの松本裕樹投手は、4試合で7回を投げ被安打1、防御率0.00と圧倒的な数字を残した。
約1カ月のシーズン中断期間を挟んで迎える2021シーズン後半戦。エキシビションマッチでアピールに成功した選手たちがどのような活躍を見せるか、期待が高まる。
文・東海林諒平
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