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千葉ロッテ井口監督が「彼の存在はデカい」と期待 後半戦の鍵を握る男の起用法とは?

2021.7.27(火) 06:30 Full-Count 佐藤直子
千葉ロッテ・井口資仁監督※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
千葉ロッテ・井口資仁監督※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

 23日に開幕した東京五輪の影響で、シーズンが一時中断となっているプロ野球。パ・リーグは前半戦を終え、1位から4位までが4ゲーム差にひしめく大混戦となっている。

 井口資仁監督率いる千葉ロッテは、首位オリックスから2.5ゲーム差の3位で前半戦を終了。「シーズン最後の1か月のように追い込みをかける」との言葉通り、7月に入ってからオールスターまでの9戦は6勝2敗1分と猛チャージをかけ、貯金を3つ作って折り返した。27日からは「プロ野球エキシビションマッチ」がスタート。交流戦同様、セ・リーグ球団と対戦する練習試合を重ねながら、8月13日から再開するリーグ戦に向けて調整を行う予定だ。

 1974年以来のリーグ1位での日本シリーズ優勝を目指し、好位置に付ける千葉ロッテだが、指揮官は37勝34敗12分で終えた前半戦をどう見るのか。連載シリーズ第6回は、前半戦で得た手応えと後半に向けての改善点について、井口監督の目を通した分析を語ってもらった。【取材・構成 / 佐藤直子】

 ◇ ◇ ◇

 東京オリンピックが始まりましたね。28日から始まる野球では侍ジャパンの金メダルを楽しみに応援しようと思います。

 プロ野球は前半戦が終了。マリーンズは貯金3つで折り返すことができました。順位に関しては気にしていません。これだけ混戦だと毎日変動するものなので、重視するのは貯金をいくつ増やせるか。一時は勝率が5割を切ることもありましたが、先発の石川(歩)、美馬(学)が抜けてキツかったところで、岩下(大輝)や小島(和哉)といった若手が奮起してくれました。

 開幕当初はクローザーの益田(直也)は決まっていても、7、8回の終盤を任せられる投手が定まらず。田中靖洋、ハーマンと故障をして、調子の良かった唐川(侑己)も離脱してしまった。そういう中で佐々木千隼が8回を任せられる存在になってくれたことが大きかったと思います。先発投手は若手が多く、なかなか7回、8回まで引っ張れない。そこで7回以降を任せられるリリーフが重要になるわけですが、千隼が計算できるようになったことに加え、後半には国吉(佑樹)が入ってハーマンも帰ってくる。厚みが増すので積極的に勝負していけると思います。

 千隼は8回というポジションを自分で勝ち取ってくれました。これまで怪我が多くて実力を発揮しきれない選手でしたが、今年はキャンプから調子が良く、開幕直前までローテ入りの可能性があった。その中でロングリリリーフを含めたブルペンに回ってもらいながらも、投げるたびに結果を出して今がある。元々スライダーがいいピッチャーですが、真っ直ぐもキレがあり球速も上がってきた。マウンドに立つ姿から「自分の球は打たれないんだ」という自信が感じられますし、我々も自信を持って任せることができます。

千葉ロッテ・荻野貴司※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
千葉ロッテ・荻野貴司※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

12年連続2桁盗塁の球団新記録を達成した荻野「彼の存在はデカい」

 打線に関しては、マーティンとレアードが走者を置いた場面で役割を果たしてくれる分、周りの打者への負担が減っていると思います。荻野(貴司)と(中村)奨吾もコンスタントに出塁したり、時には走者を返したり、打線を繋いでくれるので6番まではしっかり機能しているかなと。

 前半は若手打者を成長させるために積極的に使いましたが、安田(尚憲)、藤原(恭大)、山口(航輝)、高部(瑛斗)といった選手は、もう1つ上のステップに上がらなければいけない。その中でファームで約2か月を過ごした恭大が、1軍に戻ってきてから結果を出し始めました。おかげで7番以下に厚みが増し、打線がよりいい形で機能してきたと思います。

 荻野が球団新記録となる12年連続2桁盗塁を達成しましたが、チームにとって彼の存在はデカい。これまでも荻野が怪我をすると一気にチームが沈んでしまいました。毎年どうやって怪我をせずに1シーズン試合に出られるかが我々の課題です。守備の面でも本来は左翼で運動量を減らしたいところですが、前半はどうしても中堅が多かった。ここでも恭大が戻ってきて中堅を任せられるのが大きいですね。今は「どれくらい走ると怪我をする」というデータも出ています。そういうデータも参考にして、点差が開いている時には休ませながら、荻野に1年を通じてプレーし続けてもらうことが、後半戦のキーポイントになるかもしれません。

 後半は代走や代打の使い方も攻撃のカギになりそうです。今、1軍には和田康士朗、岡(大海)、小川(龍成)と走れる選手が3人いるので、彼らを使ってどう仕掛けていくか。右手首を痛めていた井上(晴哉)もファーム戦に出場し始めたので、右の代打として計算ができる。試合後半で走者が溜まった場面でどうやって使っていくか、いろいろと考えていきたいと思います。

 バッテリー陣は後半戦に向けて、ホームランでの失点について見直したいと思います。前半の課題はホームランでの失点が多かったこと。ボールが高めに浮き始めたところを狙われている。しかも、同じ選手に打たれることが多い。後半戦が始まるまでに、アナリストと話をしながら対策を立てていきます。

 プロ野球が五輪で一時中断となりますが、出場し続けていた選手にとってはいい休養期間。体のメンテナンスをしながら、練習試合を調整の場として使い、後半戦に備えたいと思います。出場機会が少なかった選手や若手はファームでフル出場をさせて試合勘を磨かせる予定です。練習試合の勝敗にはまったくこだわりません。後半初戦のオリックス戦にどれだけベストな状態で臨めるか。この期間の活用法次第で後半戦が決まってくると思います。

千葉ロッテ・藤原恭大※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
千葉ロッテ・藤原恭大※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

後半戦は戦力をフル活用「全員が束になって、相手に立ち向かっていくチーム」

 7月といえば、夏の甲子園出場をかけた地方大会真っ盛りです。先日も千葉県大会決勝の熱戦をテレビ観戦しました。母校の國學院久我山高の応援にも行きたかったのですが、緊急事態宣言下ということもあり、今年はテレビの前からエールを送ります。

 僕らの時代はアマチュア選手にとっての最高峰が五輪でしたが、高校球児にとって甲子園はそれに匹敵するくらいの舞台だと感じられていると思います。僕も2年生の夏(1991年)に甲子園に出場しました。1回戦で池田高校に負けてしまいましたが、やっぱり一番の夏の思い出になっています。持って帰ってきた甲子園の土は、確かインスタントコーヒーの空き瓶に入れてとっておいたはずですが……。実家のどこかにあると思います。

 今年の夏は女子高校野球の決勝も甲子園で開催されると聞きました。すごい! 最高ですね! 少し前までは実現するとは思えなかったこと。歴史は確実に動いていますね。

 後半戦は8月13日から始まります。残り60試合。戦力をフル活用しながら、しっかりと勝ちきる野球をしていきます。マリーンズは全員が束になって、相手に立ち向かっていくチーム。打線は相手投手に1球でも多く投げさせて出塁して得点に繋げ、ピッチャーも今の調子で粘り強く投げてくれれば、混戦のパ・リーグで勝負ができる。コロナ禍で気分が晴れないファンの皆さんのためにも、いい試合をお届けできるように全力を尽くします。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

記事提供:Full-Count

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