【ファーム便り】ネクストブレイクはこの2人。楽天・山崎真彰と千葉ロッテ・植田将太

2021.6.25(金) 10:00 パ・リーグ インサイト
東北楽天ゴールデンイーグルス・山崎真彰選手(左)千葉ロッテマリーンズ・植田将太選手(右)(C)パーソル パ・リーグTV
東北楽天ゴールデンイーグルス・山崎真彰選手(左)千葉ロッテマリーンズ・植田将太選手(右)(C)パーソル パ・リーグTV

 交流戦はセ・リーグに勝ち越しを許したが、レギュラーシーズンに戻るとパ・リーグでは首位から5位までが例年比べても混戦状態で、非常におもしろいシーズンとなっている。メディアに注目されやすい一軍の裏で、その檜舞台に立つべく二軍でも日々熾烈な競争が行われている。その中でも今回はネクストブレイク枠として今後活躍が期待される2選手を取り上げたい。

遅咲きの育成選手、楽天・山崎真彰

 2019年の育成ドラフト3位でハワイ大から楽天に入団した、右投左打の内野手である山崎真彰(やまざき・まあき)選手。今年で26歳を迎える育成選手ではあるが、公式戦デビューとなった今季はここまで打率.338(イ・リーグ1位)、2本塁打という抜群の成績を残している。特に5月の活躍は目覚ましいものがあり、16日のオリックス戦で5打数5安打を記録。20試合に出場して、打率.408、31安打、14打点の驚異的な数字を残し、「スカパー!ファーム月間MVP」を受賞し、支配下選手と遜色ないミート力を発揮している。

ファームではヒットメーカーの片鱗を見せている

 山崎選手のバッティングフォームは、顔付近にバットを構え、小さいテイクバックから確実にボールを捉えていくスタイルだ。タイミングの取り方やフォロースルーが、チームの先輩でもある島内宏明選手を彷彿とさせる。楽天には島内選手をはじめ、茂木栄五郎選手や小深田大翔選手など巧みなバットコントロールを見せる選手が多いので、ここからはいかに他選手との違いを見せられるかが課題になっていくだろう。

 今季のファームでの活躍を振り返っていく。1年目の昨季はファームでも試合の出場がなかったことから、今季が事実上のデビューとなった。

 最初に取り上げるのが、2021年3月26日の千葉ロッテとの試合。7回表の打席で、一軍経験のある千葉ロッテ・石崎剛投手の直球をライトにはじき返すクリーンヒットを放つ。2ストライクと追い込まれながらも、少し甘めのストレートではあるが引っ張って強い打球を打てるというのは、速球を苦にしないタイプの打者だということがうかがえよう。

 ここからコンスタントに試合に出場。4月はファームのレギュラーとして結果を残していく。5月に入るとヒットが止まらない状態に突入。5月16日のオリックスとのファーム交流戦では5打数5安打の大暴れを見せる。この試合の打席を第1打席から振り返っていきたい。

 第1打席は1回裏、1死1塁の場面。山崎颯一郎投手が投じた2球目を逆方向にはじき返すクリーンヒットを放つ。広く空いていた三遊間を狙いすましたように打球は抜けていった。第2打席は3回裏の先頭打者で、2ボール1ストライクからの4球目の変化球に合わせたスイングでバットの芯に当てると、打球は二遊間を抜ける。

 第3打席は4回裏2死2塁の得点圏の場面。初球のカーブを見送り、1ストライクからの2球目。低めのボールゾーンの変化球を引っ掛けた打球は、投手と一塁手の間に転がる打球となり内野安打となる。脚力もあることがわかる打席だった。第4打席は中川颯投手との対戦。アンダースロー投手との対戦となったが、3ボール1ストライクからの5球目を綺麗にセンターにはじき返す。変則投手との対戦でも対応力の高さを見せた。

 最後の5打席目は一軍経験豊富な吉田一将投手との対戦で、7回裏の2死3塁の場面。1ボールからの2球目、高めに浮いた直球をまたもや逆方向にはじき返す。甘めの直球を確実に捉える技術はすでに一軍クラスと言っても過言ではないだろう。

 その4日後の21日の北海道日本ハムとの試合では、5回裏の先頭打者として打席に立つと、鈴木遼太郎投手が投じた初球の球を振りぬき、右中間の深いところに飛び込む第1号ホームランを記録した。

今後の課題はズバリ“守備”

 プロ選手とアマチュア選手の大きな違いとしてよく取り上げられるのが、ストライクゾーンの広さと速球・変化球の対応力である。山崎真彰の打撃の課題として、一軍の主力クラスの投手の変化球に対応できるかが挙げられる。直球に対しては映像から見てもわかる通り、逆方向にも力強い打球を飛ばせているので、さほど問題はないだろう。守備に関しては、DHや一塁手としての出場が多く、まだここから鍛錬を積む必要がある。楽天には島内選手など左の巧打者タイプの選手が多いので、参考にしつつ、個性を確立させてまずは支配下を目指してほしい。

捕手陣の救世主となれるか、千葉ロッテ・植田将太

 植田将太選手は、2019年の育成ドラフト2位で慶應義塾大から千葉ロッテに入団。大学時代は現中日の郡司裕也選手の控えで、東京六大学の通算成績でも6打席しか立っていない選手であった。千葉ロッテに入団すると1年目からファーム公式戦に出場し、2年目の今季は好調千葉ロッテ二軍を支える正捕手にまで成長してきている。一軍では正捕手の田村龍弘選手が怪我で離脱し、捕手陣の立て直しが急務な中、中日から加藤匠馬選手がトレードで加入するというニュースも入ってきた。他の捕手陣と切磋琢磨しながらも、まずは支配下を目指す植田選手の成長に期待したい。

 選手の特徴を見ていく。守備面では両コーナーを上手く使った配球で、投手の持ち味を巧みなリードで引き出す。スローイングも比較的安定しており、一軍レベルの選手を打ち取っていけるリードを覚えていけるかが今後の課題と言えるだろう。

 バッティングはスクエアスタンスから逆方向にも力強い打球が飛ばせる。また、犠飛など最低限の仕事をこなす打撃も見せており、長打を増やしていけるかがこれからの課題として挙げられる。

今季はファームの一番手捕手として成長中

 今季の活躍を映像とともに振り返りたい。3月28日の楽天戦では、7回裏の1死2、3塁の場面で、楽天・釜田佳直投手の直球を逆方向にクリーンヒットを放つ。強引に引っ張るのではなく、ポイントを近くして反対方向に打てる技術はすでに備わっていると言えるだろう。

 5月23日の北海道日本ハムとの試合でも、2死1、3塁の場面で北海道日本ハム・根本悠楓投手の内角寄りの球を右中間に捌くタイムリーを放っている。左腕の直球を苦手にせずに対応できているのはポジティブな要素とは言え、ファームではここまで39試合に出場し、打率.163、出塁率.235(6月24日時点)と率という点では課題が残る。140km/h前後の直球は試合を見る限り対応できているようだが、一軍レベルの150km/h後半の球、それに、沈む・滑る・消えるといった変化に富んだ球に早く目が慣れるかが一つの壁だ。

 守備面においては、5月8日の楽天戦。8回無死の場面で楽天・吉持亮汰選手が打ち上げたファールフライをフェンスを恐れずに好捕。リード面の向上も必須だが、1のアウトに執着するガッツあるプレーで投手陣を助ける姿はさらなる上の舞台でも必要になってくる部分だろう。

同学年・佐藤都志也の存在も刺激に

 千葉ロッテには、同期入団の佐藤都志也選手がすでに一軍の舞台で捕手として活躍している。佐藤選手は左打者ということもあり、打撃がアピールポイントの選手であるが、今季はすでに一軍で29試合に出場して、リードを必死に学んでいる。上位争いをしながら、試合を通して成長できているのは本人にとってもチームにとってもプラスなことで間違いない。植田選手も二軍の正捕手として出場を重ねているので、まずは守備面での経験を積み、将来的に目指す選手像としては広島の會澤翼選手のような、強気なリードと勝負強い打撃ができる選手に成長していってもらいたい。

文・木村圭

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