連打&好走塁で好機演出、4番中村の2点タイムリーで逆転
■埼玉西武 3ー1 千葉ロッテ(27日・メットライフ)
埼玉西武は27日、本拠地メットライフドームで行われた千葉ロッテ戦に3-1で競り勝ち、連敗を6で止めた。主軸の山川穂高内野手、外崎修汰内野手を故障で欠く中、1番に源田壮亮内野手、2番にコーリー・スパンジェンバーグ内野手を置く新打順が機能した。
開幕直後から故障者が続出した埼玉西武は連日苦肉のオーダー。1番はドラフト4位ルーキーの若林楽人外野手がチーム最多の13試合務め、27日現在リーグトップの9盗塁をマークする活躍だったが、相手にマークされたためか最近19打席連続無安打の不振に陥り、ついにこの日スタメン落ち。また新たな打順編成を迫られた。
そこで功を奏したのが、昨季3試合あった「1番・源田、2番・スパンジェンバーグ」の並びだ。1点を追う4回、先頭の源田がカウント0-2と追い込まれながら、千葉ロッテ先発・石川の外角低めのシンカーに軽くバットを合わせ、チーム初安打となる左前打で出塁。続くスパンジェンバーグは初球の内角高めのカットボールに詰まりながら、しぶとく中前へ落とした。
無死一、二塁から森が定位置よりやや後方へ左飛を打ち上げると、二塁走者・源田はタッチアップから俊足を飛ばし三塁を陥れる。さらに、左翼手・角中が三塁へ送球する間に、一塁走者スパンジェンバーグまでが二塁を奪った。辻発彦監督が「あれが大きかった。向こう(千葉ロッテ側)としてはミスだよね。うちとしてはああやって一塁走者を二塁へ生かしていかないと」と大きくうなずく好走塁だった。
こうして生まれた1死二、三塁のチャンスを逃さず、4番の中村剛也内野手が内角高めの146キロの速球に詰まりながら、左前へ逆転2点打。「ゲン(源田)、スパンジー(スパンジェンバーグ)、ナイスラン!」と快哉を叫んだ。
続く5回も、先頭の呉が左前打で出塁すると、山田がバントで送り、金子も一塁内野安打で1死一、三塁。続く源田の打席で、カウント1-0からの2球目に一塁走者を走らせ、すかさず二ゴロを転がし、併殺を回避した上で貴重な追加点をもぎ取ったのだった。試合巧者の埼玉西武らしい点の取り方で、源田の高い技術があればこそとも言えた。
源田は同日現在、打率.286、出塁率.340、若林に次ぐリーグ2位の7盗塁をマークしており、現状では1番にうってつけ。コロナ禍で来日が遅れ、これが今季4試合目のスパンジェンバーグも、ひとまず打率.400(10打数4安打)と好調だ。来日2年目で犠打は1本も記録したことがなく、バントで走者を送るタイプではないが、選球眼の良さとそつのない走塁で役割を果たした。ベストメンバーがそろわない中、首位に2.5ゲーム差の4位で踏ん張る埼玉西武。源田、スパンジーの1、2番コンビが浮上のきっかけになるか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
記事提供: