1、2打席目は凡退し「今日はダメかなと思った」
“十亀キラー”はこの日も健在だった。26日、ヤフオクドームで行われた埼玉西武戦。福岡ソフトバンクの松田宣浩内野手が、大得意としている西武先発の十亀剣投手から、勝負を決める一発を放った。
同点で迎えた6回。柳田、デスパイネの安打で1死一、三塁のチャンスで松田は打席に立った。マウンド上には、この試合まで31打数20安打、5本塁打と圧倒的な相性の良さを誇る右腕がいた。「1、2打席目に凡退していて、今日はダメかなと思った」という松田だが、やはりキラーぶりは本物だった。
1ボール1ストライクから右腕が投じた3球目、カーブが甘くなったのを逃さなかった。快音を残した打球は本拠地のファンの声援に後押しされるように、左中間スタンドへ。勝ち越しの4号3ラン。この一打が、勝利を決定づけた。
4月3日の対戦でも十亀から本塁打を放っており、これで今季は2戦2発。通算34打数21安打の打率.618、6本塁打となった。なぜ、これほどまでに打てるのか。その秘訣について「想像に任せます」とした松田だったが、「1軍の投手とは何十回も対戦している。真っ直ぐ、勝負球がどういうボールなのかというのは分かっている。イメージはあるので、イメージ通りに運べるかどうか。成功例が多い投手はイメージしやすいし、失敗例が多い投手にはイメージしにくい」とも話した。
まさに十亀はその「イメージしやすい投手」なのだろう。チームの連敗を止めた鷹の“熱男”。「テンポがいいので、8時半に終われますし、省エネのピッチングでみんなに優しい投球をしてくれている」とお立ち台では、8回1失点と好投した石川柊太を褒めることも忘れなかった。
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