苦しみながら2勝目を挙げた北海道日本ハム上沢
北海道日本ハムの上沢直之投手が24日のオリックス戦で苦しみながら今季2勝目を挙げた。
開幕から3試合で防御率0.55と抜群の安定感を誇っていた右腕が、5回8安打5四球と乱れた。3回、4回、5回とそれぞれ最小失点で切り抜ける粘りを見せたものの、球数は5回で104球を数え、6回以降は救援を仰いだ。
「立ち上がりは悪くなかったけれど、クイックの場面で急にストライクが入らなくなって、変な感じが続いてしまった。今日に関しては、最低限の仕事をしたというよりも、野手の方が長い時間守りながら、つなげて点を取ってくれたので勝てた。負けていたら申し訳ないでは済まないところだった」と試合後は厳しい表情で猛省した。
落とし穴は、2つあった。一つ目は序盤に変化球を多投したこと。初回は打者4人に16球を投げ、直球はわずか4球だった。2回も5人に16球を投げて直球は8球。「変化球を使い過ぎて、真っすぐの腕の振り、体のタイミングが合わなくなったのかな。真っすぐがコントロールできなくなって、おかしくなった」と上沢は振り返る。
吉井コーチ「あれでは長いイニングは持たない」
吉井理人投手コーチも変化球中心でゲームに入っていったことを苦しい投球になった要因と見ている。「あれでは長いイニングは持たない。ブルペンでは真っすぐを一番多く投げるし、フォームのバランスをチェックするのも真っすぐ。変化球のうまい上沢でも、ああいう風になってしまうこともある」と話す。
もう一つの落とし穴は、リクエスト制度による待ち時間だった。3回1死一塁、牽制で一走を刺したが、リクエストで検証の後、判定はセーフに覆った。3回無死一、二塁では山崎のバントを清水優心捕手が素早く三塁へ送り、さらにレアード内野手が一塁へ送球して併殺が完成したかに見えたが、リクエストで検証の結果、一塁はセーフに。いずれも失点につながった。
「確かに、ちょっと嫌な“間"がありましたね。でも、きちんと採用されたルールなので、対応しなければいけないです」と上沢は話した。
試合後、バッテリー間で問題点をきちんと整理した。清水は「直さんに勝ちがついて良かった。いろいろ話して、反省点があったので、次はそれをしっかり生かしたいです」と話した。24歳上沢と21歳清水の若いバッテリーが、勝利の中で見つけた課題は、今後の大きな財産になる。
記事提供: