前日の大敗から一転の大勝「絶対にやり返してやろうという気持ち」
北海道日本ハムの中田翔内野手が22日、本拠地での福岡ソフトバンクで6号3ランを含む5打点の大暴れで、チームを11-2と大勝に導き、自らの29回目の誕生日を祝った。
スタンドにハッピーバースデーの大合唱が流れる中、極限まで集中力を研ぎ澄ます。初回無死満塁で迎えた第1打席。プロデビュー戦の高橋礼の直球を捉えて、中堅へ大飛球を打ち上げた。
「みんなが楽に打席に立たせてくれて、何とかしなきゃと思った。最低限の仕事はできたかな。みんなに感謝です」と振り返った中田。この先制犠飛が“翔タイム"の始まりだった。
2-0で迎えた3回1死一塁の場面では、中堅フェンス直撃の適時二塁打で追加点を奪う。トドメは5回1死一、二塁で左翼席に叩き込んだ3ラン。15年西武戦以来3年ぶりのバースデーアーチで自身29歳の誕生日を祝った。
今季初めてのお立ち台で誕生日の話題を振られると、照れくさそうだった。「29歳にもなって、これだけいろんな方にお祝いしてもらえるのは幸せなこと。ファンの皆さんに感謝しています。1打席目のハッピーバースデーソングはうれしかったです」。
前日の0-10の屈辱的な完封負けの雪辱を期していた。「すごくやられた感が強い試合だったので、絶対にやり返してやろうという気持ちがあった。その通りになって良かった」と胸を張った。
先発・加藤に初勝利プレゼント「加藤には申し訳なかった」
5回の6号3ランは、交代したばかりの田中が投じたボール気味の高め直球を強引に振り抜いたものだ。伏線は前日の試合にあった。9回の打席で田中の144キロ直球を空振り三振。「きれいに三振を取られたので、真っすぐで来るだろうなと思っていた。待っていて良かった」と、狙い通りに仕留めてみせた。
先発の加藤貴之投手にも今季初白星をプレゼントできた。これまでの3試合は打線が援護できず、責任を痛感していた。「加藤には申し訳なかったという気持ちが強い。正直、加藤に勝ちがついたことの方が、自分が打ったことよりもホッとしている」と打ち明けた。
お立ち台では、西川遥輝外野手から「頼れるキャプテン! 誕生日おめでとうございます!」と誕生日ケーキをプレゼントされた。サプライズ企画に「(ケーキが)顔に来るかと覚悟してたけど、優しかったですね」と話すと、中田は満面の笑みを浮かべた。
昨季はリーグ最下位の打率.216と低迷し、チームも5位に沈んだ「個人的にもチーム的にもやり返してやろうと思っている。個人としてもチームとしても充実した1年にしたい」。巻き返しを図る今季、主将としてチームの先頭を走っている。
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