「理想を言えば、固める方がいいかな」と語る工藤監督だが…
現在パ・リーグの首位をひた走る福岡ソフトバンク。破竹の8連勝で、2位の千葉ロッテに今季最大の5.5ゲーム差に広げ、最短で21日にも優勝へのマジックが点灯する。3年連続で日本一に輝きながらも、2年連続でリーグ優勝を逃しており、悲願の3年ぶりのリーグ優勝に着実に近づいていっている。
今季の福岡ソフトバンクで特徴的なのが、流動的に変わる打順だ。これまでも工藤公康監督は打順を固定しない戦いを行ってきたが、今年は特にそれが顕著に出ている。18日の楽天戦を終えた段階で、今季のオーダーは104試合で99通りになり、20日の北海道日本ハム戦のスタメン次第では100通りに到達する。
当然、打順は固定した方がいい、と球界では言われる。打順毎の役割や流れがコロコロと変わるのは、そこを担う選手たちにとってやり辛さがあると考えられるからだ。
では、この日替わりオーダーを当の工藤公康監督はどう考えているのだろうか。
今はほぼ周東佑京が入るようになった1番には、ここまで上林や牧原、栗原、今宮、三森、松田宣、中村晃、川瀬、川島と計10人が起用され、4番もバレンティン、長谷川、上林、中村晃、栗原、柳田、デスパイネ、グラシアル、川島と9人が座る。
レギュラーが定まらない現状、選手の状態や相手投手との相性も考慮し…
工藤監督も実は「理想を言えば、固める方がいいかなと思います。しっかりしたレギュラーが固まる、のが確かに理想ではあります」と、オーダーを固定する方が理想だという。ただ、その一方で「全ての野手が全てのピッチャーを打つことはないと思うというのもありますし、今年は途中から周東君が1番として出るようになったり、栗原くんが台頭してきたところもある。そういう中で打順だったりというのは決めてきた」と、今季は諸々の事情で組み換えざるを得なかったとする。
今季は開幕時にデスパイネ、グラシアルが不在。中村晃もいなかった。今宮は故障を抱えながらの出場を続け、その後、離脱。若い選手を入れ替えながら起用してきたため、なかなかメンバーを固定できなかった。その中で選手のその時々の状態、相手投手との相性などを考慮して、メンバーを入れ替えながら最善と考えるメンバーをコーチ陣らと決めてきた。
「調子が悪ければ早めに打たせて打席数に立たせてあげた方が感じも掴めるのかなというのもあった。僕としては選手のコンディショニング、相性、調子云々もあったり、動かすこと自体が悪いとは思っていない」とする工藤監督。オーダー固定は理想としながらも、動かすことに対しては否定的ではないとも語っている。
福岡ソフトバンクは残り16試合。早ければ、21日にマジック8が点灯する。日替わりでやり繰りしてきた2020年型オーダー。優勝の時に、それは何通りまで増えているだろうか。
(Full-Count編集部)
記事提供: