サファテが残してきた驚異の「貢献度」 鷹は守護神不在を乗り越えられるか?

Full-Count 広尾晃

2018.4.19(木) 16:32

福岡ソフトバンクのデニス・サファテ
福岡ソフトバンクのデニス・サファテ

サファテは右股関節の故障で戦線離脱、一時帰国することに

福岡ソフトバンクのサファテが右股関節の故障のため戦線を離脱し、アメリカに一時帰国して検査、治療を受けることとなった。長期離脱の可能性もあり、常勝チームにとって大きな痛手だ。

サファテは2014年に福岡ソフトバンクに入団したが、それ以降、クローザーとして絶対的な数字を残してきた。福岡ソフトバンクのチーム投手成績からサファテの成績を差し引くと、その存在感の大きさが見えてくる。

2014年
完了数137→85
セーブ数39→2
ホールド数130→123
防御率3.25→3.37

2015年
完了数133→79
セーブ数44→3
ホールド数106→97
防御率3.17→3.27

2016年
完了数136→82
セーブ数46→3
ホールド数89→81
防御率3.09→3.15

2017年
完了数139→77
セーブ数58→4
ホールド数125→122
防御率3.22→3.34

2018年(4/18まで)
完了数14→8
セーブ数7→2
ホールド数10→10
防御率3.88→3.92

サファテのチーム貢献度の高さを端的に表した数字だ。目立たないが「完了」は、試合を締めくくる最終登板のことだ。サファテはここ4年、セーブシチュエーションだけでなく、大部分の勝ち試合の最後を締めくくってきた。まさにクロージングを一人で担ってきたのだ。チーム防御率もサファテの数字を差し引くと0.10前後下落する。投手陣のクオリティも下がるのだ。

2014年以降にサファテ以外にセーブを記録したのは6人

福岡ソフトバンクは、絶対的なエースで勝つのではなく、力が均衡した先発陣が試合を作り、これを救援投手の「勝利の方程式」で勝ちに結びつけるパターンで勝ってきた。その「勝利の方程式」の絶対的なピースであるサファテの離脱は、チーム戦略全体の立て直しにつながる。

以下はサファテが入団した2014年以降、セーブを記録した投手。

2014年
サファテ 37セーブ
五十嵐亮太 2セーブ

2015年
サファテ 41セーブ
五十嵐亮太 2セーブ
バリオス 1セーブ

2016年
サファテ 43セーブ
スアレス 1セーブ
森唯斗 1セーブ
岩嵜翔 1セーブ

2017年
サファテ 54セーブ
岩嵜翔 2セーブ
森唯斗 1セーブ
モイネロ 1セーブ

2018年
サファテ 5セーブ
森唯斗 2セーブ

ソフトバンクはクローザーを急きょ仕立てなければならない。今年は森が2セーブを挙げて当面、サファテの代役を務めることになりそうだが、現時点での防御率は9.64であり、信頼感があるとは言えない。セットアッパーの岩嵜翔も故障で戦線離脱、左腕モイネロは防御率6.00と不振。本命候補が見当たらないのが現状だ。

サファテは今月9日で37歳となった。そろそろ後継クローザーを用意すべき時期ではあったが、突然の戦線離脱はまさに想定外だ。プロ野球の順位予想は、選手の故障による戦線離脱は考慮しない。サファテ、岩嵜が戦線離脱、内川も死球で退場とアクシデント続きのソフトバンクだが12球団随一の「層の厚さ」を見せつけるのは、まさに「今」だと言えよう。

記事提供:Full-Count

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