外野手フロリモンより約5.6キロ遅い速球
パドレスの牧田和久投手は独特のサブマリン投法を駆使して、メジャー1年目で大きなインパクトを与えている。メジャーでも珍しい本格派サブマリン右腕は、米メディアで展開された救援投手人気ランキング企画で堂々の6位に選出されている。
「あなたの新たなお気に入り救援投手ランク:愛すべき未知の8人」と特集したのは、米スポーツ専門局「ESPN」公式サイトだ。
2018年シーズンが幕を開けたばかりのメジャーでは、各球団でリリーバーが大活躍している。記事によれば、今季メジャーでは1試合平均7人以上の救援投手が登板し、全イニングの42%を投げているという。もちろん、これは史上最多ペースだ。これだけ多くの救援投手が投げているのだから注目しない手はない。今回の格付けでは、選出の条件として「リリーバーであること」「愛すべき選手であること」「驚きに値する型破りであること」の3条件を挙げている。
その中で、33歳のルーキー「Kazuhisa Makita」は6位にランクインした。注目されたのは、その衝撃的なスローボールだ。先日、大差のついた試合で投手温存のために投入されたフィリーズ外野手ペドロ・フロリモンが投げた速球よりも、牧田の球速は時速3.5マイル(約5.6キロ)も遅かったという。
牧田が投げる速球の平均時速は80.8マイル(約130キロ)。あまりの遅さから、MLB公式サイトでは「フォーシーム」ではなく「チェンジアップ」と断定していることも紹介している。キャンプ中から話題となっている超スローカーブでは時速50マイル台(約80キロ)を叩き出した。
ここまで今季パドレスで62球を投げている右腕。記事では「あなたのヒーロー、カズヒサ・マキタは11度空振りでストライクを奪った」と指摘している。一方、今季メジャーで速球の最高平均球速99.7マイル(約160キロ)を記録しているカージナルスの22歳右腕・ジョーダン・ヒックス投手は63球を投げて、奪った空振りは6度だけ。時速160キロ級の剛速球以上に威力を奮う牧田の投球に、「これこそマキタがお気に入りの救援になる理由だ」としている。
剛速球や豪快なホームランがもてはやされる中で光る牧田の魅力。スタートダッシュに失敗したパドレスだが、サブマリン牧田はアメリカでファン層を拡大している様子だ。
記事提供: