【勝利の分かれ目の一打席】満塁のピンチで迎えるはスパンジェンバーグ。杉浦稔大が放った球は?

中島大輔

2020.6.21(日) 17:58

北海道日本ハム・杉浦稔大投手【撮影:海老原悠】
北海道日本ハム・杉浦稔大投手【撮影:海老原悠】

 開幕戦から2試合続けて沈黙しているライオンズの打線がいつ目覚めるのか。1勝1敗で迎えた6月21日のカード3戦目は、北海道日本ハムの先発・杉浦稔大VSライオンズ打線が最大の見どころとなった。

 2回表に主砲の中田翔のソロ本塁打で先行した北海道日本ハムは、4回に2番・大田泰示がレフトスタンドに今季1号ソロ。外角に甘く入ったカーブを見逃さず、豪快な一発で貴重な追加点をもたらせた。

 序盤にリードをもらった先発の杉浦は走者を出しながらも速球とフォーク、スライダー、カーブのコンビネーションで無失点で切り抜けていく。すると、試合の山場は早くも4回裏にやってきた。

 2点を追いかける埼玉西武は、先頭打者の6番・中村剛也が2ストライクに追い込まれてからコンパクトなスイングでセンター前安打を放って出塁。絶好調の栗山巧が右中間への2塁打で続いて無死2,3塁とすると、木村文紀が四球を選んで満塁とした。

 この時点で球数が81球に達していた杉浦。西武打線はなかなか状態の上がらない9番・金子侑司、1番・コーリー・スパンジェンバーグと続くなか、杉浦はフルスロットルの投球で立ち向かった。

 9番・金子侑司に対しては内角高めのストレートで詰まらせてショートフライ。そして見事だったのが、スパンジェンバーグへの攻め方だ。2球目までフォークを続けて追い込むと、4、5球目は外角の厳しいコースに速球を投げ込み、ボール、ファウルで1ボール、2ストライク。続く6球目、内角に投じたフォークはやや抜け気味になり、高めから落ちてきたことでスパンジェンバーグはタイミングを合わせることができず、見逃し三振に倒れた。

(C)PLM
(C)PLM

 続く2番・源田壮亮には速球中心の攻めで追い込むと、最後はフォークを落として空振り三振。杉浦は持ち味を存分に発揮し、絶体絶命のピンチを無失点で切り抜けた。

 試合中盤の山場をうまく凌いだ北海道日本ハムの栗山英樹監督は、前日に続いて5回から継投へ。井口和朋、堀瑞樹、公文克彦、金子弌大、吉川光夫とつなぎ、連勝を飾った。

 一方、埼玉西武はプロ入り初先発の與座海人が6回を投げて3失点。相手のタイミングを外す投球術で及第点の投球を見せたものの、甘い球を仕留められた。「もっと打者を見ながら投げていかないといけないと思いました。その反省点を生かして、次回登板ではもっと高いレベルでやっていくように頑張ります」と話した。

 埼玉西武は與座の後を受けた中継ぎ陣が打ち込まれ、7回以降に7点を奪われ開幕カードの勝ち越しはならなかった。気がかりなのは北海道日本ハム投手陣に抑え込まれた打線だ。特に8番から並ぶ木村、金子、スパンジェンバーグが本調子ではなく、打線の切れ目となっている。23日から行われる福岡ソフトバンクとの6連戦で辻発彦監督は打線にテコ入れしてくるのか、その采配にも注目が集まる。

文・中島大輔

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