11日から再び打者として出場予定の大谷選手、日ハムで同僚だったマーティン投手は…
8日(日本時間9日)の本拠地アスレチックス戦で2勝目を挙げたエンゼルスの大谷翔平選手は、10日(同11日)の敵地レンジャーズ戦から再び打者として出場する見込みだ。4試合連続本塁打がかかる一戦。昨年まで北海道日本ハムで同僚だったクリス・マーティン投手は地元メディアに対して、“攻略法"をあえて明かさず。一方、オフの争奪戦で本人と面談していた敵将のジェフ・バニスター監督は、大谷選手が同地区のエンゼルスを選んだことについて「敬意を払う」と話したという。
現在、3試合連続本塁打という衝撃的な活躍を続けている「打者・大谷」。米メディア「ジ・アスレチック」は特集記事を掲載し、10日から再び打席に立つことになる二刀流について、レンジャーズが争奪戦に参戦していたことに触れつつ、テキサスのファンがついに「生オオタニ」を見ることになると言及。その上で、昨季まで北海道日本ハムでプレーし、今季からレンジャーズに移籍したマーティン投手の証言を紹介している。
3年ぶりのメジャーマウンドで、ここまで6試合に登板して防御率3.60の成績を残しているマーティン投手。本拠地でのエンゼルス3連戦で、「打者・大谷」と対戦する可能性は十分にある。北海道日本ハム時代はチームメートだったため、当然、公式戦での対戦経験はない。同メディアの取材に対して「彼は対戦相手だから、もう友達ではないよ」と冗談交じりに話したというマーティンは、二刀流右腕から教わった“宝刀"スプリットを本人に投じるかを聞かれると、言葉を濁したという。
「正直、誰に対してもたくさん(スプリットを)投げてきたわけではないからね。だから、それで勝負するかはわからないよ。その日の(スプリットの)出来が良ければ、使うことになるね。そうじゃない場合は、これまでうまくいっている球種で攻めていくよ」
対戦直前とあって、当然、“真剣モード"。現在メジャーを席巻する強打者に手の内を明かすわけにはいかない。ここまでの大谷選手の打撃については「彼は(彼の)得意な球を打っているね」と分析しつつ、「投手たちは見極めていく必要があるんだ。彼に対してどんな攻め方をしていくべきかを掴んだら、彼にとってはこれまでよりも難しい状況になっていくだろうけど、彼が(これまでより)良くなるか、はたまたその逆になるかはわからないよ」と話すにとどめている。
バニスター監督はエンゼルスを選んだ大谷に“恨み節”なし「本当に敬意を払う」
記事では「恐らくそれは、ベストな考え方であろう:オオタニが今後どうなっていくを予測することは、これまでずっと容易なものではなかったのだ」と指摘。メジャーでも周囲の想像を超える活躍を見せる二刀流の今後はとても予測できるものではないというのだ。
一方、バニスター監督は特集の中で大谷選手とエンゼルスに深い敬意を示している。レンジャーズは最終候補の1球団で、バニスター監督は大谷選手本人との面談にも出席しながら、獲得はかなわなかった。他球団の関係者やスカウト、選手からは“恨み節"も少なからず聞こえてくるが、「手応えは感じていたよ。だけど、知っての通り最終的に決めるのは彼自身だからね」と淡々と振り返ったという。
「がっかりした気持ちは常にあるよ。だけど、他の人がどこに行くかの決断をすることに関しては、自分たちはみな十分に大人だからね」
バニスター監督は取材に対してこう話した上で「(数多くの球団が獲得を目指す中、大谷がエンゼルスを選んだ事に対して)本当に敬意を払うよ。その敬意が多くあるからこそ、残念な思いも多少消えているようなものなんだ」と続けている。大谷選手の決断を受け入れ、尊重しているからこそ、現在の活躍を見ても“妬み"はない。周囲が騒がしくても、レンジャーズは落ち着いて大谷選手との初対戦を迎える。
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