試合後のインタビュー中の祝福は「自分たちからのギフトだよ」
エンゼルスの大谷翔平選手は開幕早々、今季のメジャーリーグで最大の話題を振りまいている。投手として初登板初勝利、野手では3試合で打率.429、2本塁打、5打点。「ベーブ・ルース2世」と期待される男は投打に最高の滑り出しを見せている。
そんな大谷選手は本拠地デビュー戦となった3日(日本時間4日)インディアンス戦の初打席で衝撃の3ランを放ち、大観衆の度肝を抜いた。満面の笑顔でダグアウトに戻った二刀流に待ち待ち構えていたのは、メジャーでおなじみの「サイレント・トリートメント」。“塩対応"からの急転の祝福劇は、アメリカのみならず、日本でも大いに話題となった。
そして、試合後の地元テレビ局のヒーローインタビュー中には、大谷選手は再び抱腹絶倒の洗礼を浴びていた。
「あれは自分たちからのギフトだよ。ショウヘイはメジャーに来て、初めて本塁打を打った。素晴らしい活躍で、自分も心から嬉しかった。めでたいからメジャー流の贈り物なんだ。みんな喜んでもらえたかな」
クラブハウスでいたずらそうな笑みを浮かべたのは、右翼手のコール・カルフーン選手だ。
試合後のフィールド上で地元テレビ局「FOXスポーツ・ウェスト」の取材を受けていたヒーローの背後から、筋骨隆々の30歳が足を忍ばせながら猛ダッシュ。両手に抱えていたのは、試合中に選手が水分補給するためにダグアウトに置いてある、ドリンク「パワーレード」満載の巨大なタンクだった。身長193センチの大谷選手の背後にたどり着き、頭上から思い切り浴びせた。
「パワーレード・シャワー」の洗礼に首をすくめた大谷選手は「クッソ冷た~」と思わず苦笑い。昼は暖かいこの時期のロサンゼルスも夜はさすがに肌寒くなる。ヒーローはタオルで顔を拭いていたが、このゲームの名場面の一つとなった。
二刀流の活躍は喜び「究極的な才能」「いい奴」「最高のチームメート」
アメフトNFLでは、その日の殊勲者に氷満載のドリンクを背後から浴びせかける「ゲーターレード・シャワー」が恒例化している。メジャーでもヒーローに対するチームメートからの祝福として有名だ。
「サイレント・トリートメント」に続く、「パワーレード・シャワー」という第2の洗礼で大谷選手を祝福したカルフーン選手は「自分は自分の仕事をしたまでさ」としてやったりの笑み。今や二刀流のルーキーの大爆発が心からの喜びになっているという。
「今日も素晴らしい活躍だった。素晴らしい投手からホームランを打った。ショウヘイには究極的な才能がある。いい奴だ。最高のチームメートだしね。ここまでの1週間、文句のつけようがないよ」
クラブハウスでは誰からも愛される“弟キャラ"として、大谷選手は絶大な人気を博しているようだ。
「チームはどうしてもこのシリーズを取りたかった。開幕2シリーズで2度とも勝ち越せた。プレーオフを目指す上では最高のスタートになったね。ショウヘイはチームに貢献してくれている。このまま活躍してほしいよ」
メジャー昇格7年目で生え抜きのムードメーカー、カルフーン選手は最後に真面目な顔で大谷選手を絶賛した。ア・リーグ西地区では、昨季のワールドシリーズ王者アストロズが6勝1敗と好発進したが、エンゼルスも5勝2敗で2位とスタートダッシュに成功。しかも、12連敗中だったインディアンスから2連勝までもぎ取った。
その原動力は間違いなく大谷選手。2015年にはゴールドグラブ賞にも輝いた、いたずら大好きな名手も二刀流の新星をフィールド内外でサポートしていくつもりだ。
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