初登板で1死も取れず降板した榊原投手、2試合目の登板で好投
防御率∞。プロ野球の世界ではあまり見ることのない数字を叩き出したのはオリックスの榊原翼投手だった。
開幕直前に育成から支配下に昇格し開幕1軍入りを果たした2年目右腕は初登板でプロの洗礼を浴びた。4月1日の福岡ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)の8回1死2塁から登板。だが、福岡ソフトバンク打線にメッタ打ちを食らい1死も取れず降板。0/3で4安打5失点でデビュー戦を終えた。
この時点で榊原投手の防御率は表示することができない「∞」。アウトを一つも取れず0で割ることは不可能なため2年目右腕の防御率は“無限大"と表示する方法しかない。本人も登板後に自身の数字をチェックしていた。
「前回のこともありましたから。ただ抑えるという気持ちでいきました。悔しさを晴らす思いで」
やり返すチャンスはすぐに訪れた。3日の千葉ロッテ戦(京セラドーム)の9回に4番手としてマウンドに上がると2死から荻野貴選手に左翼線二塁打を浴びたが後続を打ち取り無失点。1イニングを1安打2奪三振無失点の好投だった。
先頭の清田選手を三振に打ち取り防御率135.00、続く江村選手を二飛に抑え防御率67.50、そして2死2塁から藤岡裕選手を見逃し三振に打ち取り防御率を45.00まで改善させた。
登録抹消も前向き、平井コーチも「次に上がってきた時が非常に楽しみ」
初登板とは見違える投球を見せた右腕だったが4日に出場登録を抹消。それでも「真っすぐが持ち味ですが最初から上半身だけで投げて力んでいました。また一から整えてきます」と悲観することはなく前を向いた
育成から支配下に登録され、いきなり開幕1軍入り。とんとん拍子に駆け上がっていった右腕に平井1軍投手コーチは「いいものは持っている。けど、1軍で何が必要なのかを本人が分かる必要がある。この経験をどう生かすかが大事になる。次に上がってきた時が非常に楽しみ」とさらなる成長に期待を込めた。
150キロに迫る直球にキレのあるスライダーで大器の片りんを見せた榊原投手。再び1軍のマウンドに戻ってきた時、一体どのような投球を見せるか楽しみだ。
記事提供: