前の打席の見逃がし三振を猛省「追い込まれる前にと思った」
30日、福岡ソフトバンク柳田悠岐外野手の放った一打が、息詰まる投手戦にケリをつけた。互いに無得点のまま迎えた8回1死満塁。好投を続けてきたオリックス西勇輝投手の初球を左中間へと運ぶ、決勝の2点タイムリー二塁打となった。
8回裏のタイムリー二塁打でチームに勝利をもたらした柳田選手。お立ち台では「追い込まれると厳しいピッチャーなので、追い込まれる前に前に飛ばそうと思いました」と語ったが、その伏線となったのは6回裏の第3打席だ。ヒットで出た今宮選手が盗塁を仕掛けて2死2塁。絶好の先制機に柳田選手はフルカウントから見逃し三振に倒れた。
「あの見逃し三振があったから追い込まれる前に、と思った。で、初球があの高さだったので『これなら前に飛ぶ』と思って打ちました」と柳田選手。工藤監督も「逆方向だったし、柳田君にとってもいいヒットだったんじゃないかな」と称賛する。
その決勝打までの3打席は三振2つとレフトへの深めのフライが1つ。それでも「結構いい感じやったんで」と、スイングや打席でのゆったり感に手応えは感じていたという。「でも、一生懸命投げてすごくリズムを作ってくれたピッチャーのおかげだし、チャンスを作ってくれた前の打者のおかげっすよ」と、仲間たちへの感謝も忘れない。
お立ち台では好投しながら勝利を逃した千賀滉大投手に「千賀君にはまた次の機会に頑張ってほしい」と冗談めかしたエールを送ると、千賀投手もすかさず「柳田さんが打つのが遅いなと思いました」とジョークでコメント返し。お立ち台でそんなやりとりができるのも、開幕白星の効果だ。
「(カード)頭を取れたし、いい勝ち方ができたんじゃないかなと思います」という柳田選手は、「また明日もあるんでしっかり寝ます」と言って会見場を後にした。
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