楽天熊原、右手血行障害から復活へ 「宮城には特別な思い。もっと1軍の戦力に」

Full-Count 高橋昌江

2019.12.4(水) 11:49

契約更改を行った楽天・熊原健人※写真提供:Full-Count(写真:高橋昌江)
契約更改を行った楽天・熊原健人※写真提供:Full-Count(写真:高橋昌江)

熊原は3月末に横浜DeNAから移籍 契約更改では100万円減の900万円でサイン

 右手の中指と薬指にはまだ包帯が巻かれていた。楽天の熊原健人投手が先月21日に手術を受けた右手中指の血行障害の患部を撮影しようとしたテレビカメラに向かって手の甲を向けたポーズをとると、「結婚したみたい……」と言って報道陣を笑わせた。この1年は「戦力になれなかった」と契約更改では100万円減の年俸900万円でサインも、その席の撮影はまるで結婚発表のようになってしまった。

 今季開幕直前に横浜DeNAから移籍し、1軍登板はわずか1試合に終わった。移籍前は剛速球を投げるフォームを見失い、故郷の仙台で心機一転、出直しを誓った。環境が変わったこの1年を前向きにとらえている。

「球団が変わって変化がある1年だったのですが、新天地でいろんな人に出会えた。教えてもらったことを来年はもっといかせるようにしたいです」

 中でも今季、投手テクニカルコーチを務めた佐藤義則氏から教わったことは「僕に合った」。特にトップの作り方がマッチしたといい、「ひどい状態で楽天に来たのですが、試合で投げられるようになって、それは本当によかったです。練習の引き出しも増えました」と感謝する。

 症状が表れた時に相談したのは同じく血行障害を経験した久保裕也投手や就任したばかりの館山昌平2軍投手コーチだった。

「今年に入って、ふとした時に手がジンジンした。試合は影響なく投げられていたのですが、秋に寒くなってきておかしいな、と。久保さんに相談したら『怪しい』と言われ、検査したところ血行障害でした。館山さんと久保さんに手術後、いつから運動ができるようになるか、いつからボールを投げられるようになるのかなどを聞いて、考えて手術をしました」

 経過は順調で、以前は冷たかった指にぬくもりが戻った。抜糸は4日に予定されている。

 例年、自主トレは横浜DeNAの山崎康晃投手らと行ってきたが、今回は仙台でリハビリに励む予定だ。「1月中にボールを投げて、2月中に強くブルペンで投げられればなと思っています」と復帰ビジョンを描く。フォーム固めも行い、課題の制球力とも向き合っていく。

「宮城には特別な思いがある。応援していただいているというのをすごく実感しました。焦って空回りし、悪い方向に行くことが多かったので、焦るんですけど、焦らず。矛盾しているんですけど、そのスタンスで行こうかなと思います。来シーズンはもっと1軍の戦力になれるように取り組んでいきます」

 熊原が小学生の時に楽天が誕生。大学2年だった2013年に日本一になり、感動した。今度はその一員になるため、復帰に向かってまっすぐに突き進む。

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

記事提供:Full-Count

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