
球団史に名を刻むレジェンド

来る8月30日、埼玉西武・栗山巧選手の引退試合が行われる。ライオンズひと筋で25年間プレーし、積み上げた安打は2151本。その安打数を筆頭に、多くの成績で球団歴代1位に名を連ねる、そんなレジェンドプレーヤーのラストゲームとなる。今回は、長きにわたる栗山選手の歩みを、さまざまなデータとともに振り返っていく。
駆け出しのころから光る選球眼

プロ3年目の2004年に一軍初出場を果たすと、その翌年には84試合に出場。22歳という若さで打率.297を記録するなど、その後の活躍を予感させる好成績を残している。
栗山選手の武器としてよく挙げられるものの一つに選球眼があるが、その片りんはこの若手時代からうかがえる。3打席のみだった04年を除き、ボールゾーンスイング率は07年まで常に20%前後を記録。
当時の栗山選手と同じ24歳以下の選手のリーグ平均と比べるとその低さは歴然で、同世代の中ではトップクラスの数字だった。レギュラー定着以前から示していたこの類いまれな能力が、NPB歴代16位となる1052四球の源泉となった。
主力選手として試合に出場し続ける頑強さ

08年には初めて規定打席に到達し、打率.317の活躍でチームの日本一に貢献。主力選手となったこの年以降、4度のベストナイン、1度のゴールデン・グラブに輝くなど、数多くの実績を積み重ねてきたが、この全盛期において何よりも特筆すべきはケガによる欠場がほとんどないことだ。
08年から16年までの9シーズン、スタメンで出場した試合の割合は94.9%と非常に高く、2位以下を大きく離してのリーグ1位となっている。
どれだけ優れた能力を有していても、そもそも試合に出られなければ宝の持ち腐れとなってしまう。日々の自己管理を怠らない、高いプロ意識が生み出した鉄人ぶりも彼がレジェンドたる所以だろう。
さまざまな役割をこなせる “ユーティリティーヒッター”

次に、通算での打順別スタメン出場割合を見てみる。1番から9番までのすべての打順で出場しているだけでなく、割合が10%以上の打順が6つと偏りが少ない点も特徴的だ。
四球を獲得する選球眼、バントやエンドランといった小技をこなす器用さに、通算6度の2ケタ本塁打を記録したパンチ力。さまざまな能力を兼備した選手だからこそ、多くの打順を任された。先述した体の強さと合わせて、監督にとっては、毎試合メンバー表のどこに名前を書いても役割を果たしてくれる、本当に頼りになる存在だったことだろう。
チームを勝利に導いた雌雄を決する一打

そして、栗山選手といえば「勝負強い」というイメージを持つ方も多いはずだ。それもそのはずで、通算9度のサヨナラ打はパ・リーグにおいて現役最多タイ。特に、17年には1シーズンで3度も記録しており、その勝負強さは際立っていた。
この年はスタメン出場数こそ10シーズンぶりに100試合を割ったものの、代打打率.313をマークするなど高い集中力は変わらず。後に「山賊打線」と呼ばれる強力打線を形成したメンバーの中で打撃陣を支え、チームも4年ぶりとなるAクラス入り。翌年からのリーグ2連覇の礎を築くシーズンとなった。
ここまでデータを紹介しながらそのキャリアを振り返ってきたが、本来であれば栗山選手を語るには数字を用いるだけでは不十分だろう。プレーや言動でチームをけん引する姿勢、絶えず進化を求める探求心、ファンへの熱いメッセージ……。
そんな形に残らない部分こそ、彼がファンに愛されてきた最大の理由だからだ。 刻一刻と、バットを置く瞬間が近づいている。最後の花道に向かう「Mr.レオ」へ、最大の感謝を込め、「いざ、栗山」。
※文章、表中の数字はすべて2026年8月27日終了時点
文・データスタジアム
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