『4.21』ロッテの今季先発陣を振り返る

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今季チーム最多の150回を投げたロッテ・ジャクソン(撮影=岩下雄太)
今季チーム最多の150回を投げたロッテ・ジャクソン(撮影=岩下雄太)

 「4.21」

 ロッテのチーム先発防御率は12球団ワーストの数字だった。今季、規定投球回に到達したのは150イニング投げたジャクソンのみ。21年から5年連続規定投球回を達成していた小島和哉は春先二軍落ちを経験するなど117回1/3、WBC日本代表として世界にストレートと落差の大きいフォークを見せつけた種市篤暉はシーズン序盤に故障で長期離脱、先発の一角として期待された4年目の田中晴也はオープン戦は好投したがシーズン通してローテーションを守れず、3年目の木村優人も故障でシーズン途中に離脱した。

 開幕前はそこにベテランの唐川侑己、石川柊太、西野勇士、昨季シーズン最終盤に好投した河村説人、若手の吉川悠斗、新人の毛利海大と先発候補は多くいたが、終わってみればかなり苦しい先発の台所事情だった。

 建山義紀一軍投手コーディネーターは今季の先発陣について「規定投球に達したピッチャーもジャクソンだけでしたし、そういう点では物足りなかったところがあります」と総括。

 シーズン中に一軍だけでなく、ファームも故障者が多く、ファームの8月25日(火)の週は25日(火)のDeNA戦が今季限りで現役引退した唐川侑己、26日(水)のDeNA二軍戦が育成の秋山正雲、27日(木)のDeNA二軍戦が育成の中山優人、29日(土)のヤクルト二軍戦が育成の中村亮太、30日(日)のヤクルト二軍戦が育成の長島幸佑が先発と、1週間の半分を育成投手が先発した週もあった。

 建山コーディネーターは「本当に怪我人が多くて、まず一軍の主要ローテーションピッチャーの長期離脱が痛かったんですけど、それに伴ってファームも怪我人が多くて、なかなかうまく休ませながら回すことができなかった。苦しい1年でしたね」と吐露。

 そんな中、ジャクソンは昨季までロッテではあまりなかった中5日での先発が7度(4月14日の日本ハム戦、7月20日のソフトバンク戦、7月26日のオリックス戦、8月8日のオリックス戦、8月29日の日本ハム戦、9月4日のオリックス戦、9月28日の日本ハム戦)もあった。

 昨季までのロッテでいえば、先発ローテーションの中心だった小島、種市も中5日での登板がほとんどなく、基本は中6日の登板間隔で投げていた。その他の投手も中10日、投げ抹消と登板間隔を空けることが多かった中で、ジャクソンが中5日での登板が多かったことは近年のチーム事情を考えると、かなりの異例。

 建山コーディネーターは「対戦相手の相性を見ながらになるんですけど、ジャクソンの耐性を考慮して中5日でもいけるんじゃないか。本人がそこが心地良いといのも手伝って、多めに中5日にさせましたね」と説明した。

◆ 先発2日目に休養日

 昨季までは登板予定のない先発ローテーション投手のビジター遠征にも帯同していたが、今季はビジター遠征に帯同せず、チームがビジター遠征中、登板予定のない投手はロッテ浦和で残留練習し、先発2日目は休養日に充てた。

 建山投手コーディネーターは、「登板した翌日はアクティブリカバリーに努めて、2日目に完全に休むというサイクルが一番良いと考えたので、そういうシステムを作ろうということでそうなりました」と明かす。

 ロッテ浦和での残留練習では、若手投手が小島に積極的に質問したりする場面も見られた。1年目の奥村頼人は「(ブルペンでの投球を)小島さんに見てもらったりとか、自分が投げているだけの感覚ではなくて、いろんな経験がある人たちに見てもらった方が何か感じる部分があると思います」と話した。建山コーディネーターも、「会話だけじゃなくてキャッチボールも小島とやることで、若いピッチャーが見習えることもたくさんあった。その点では良かったですね」と振り返った。

◆ 若手にもチャンス

 このオフ、エース格の小島がFA権を行使し、移籍となれば先発が手薄なロッテにとって大打撃になる。来季に向けて、石垣元気、髙橋快秀、冨士隼斗は、10月に行われたフェニックス・リーグで4イニング、5イニングと長いイニングを投げた。来季は先発で起用したい考えがあるのだろうかーー。

 「そうですね。本当に先発ピッチャーで苦労した1年だったので、来年は先発を担えるピッチャーを少し増やしたいと思いますし、能力の高い子はそういうところをやらせて、どういう適性があるのか見極めていきたい。そういう段階です」と建山コーディネーター。

 若い投手で言えば木村は高卒1年目、ファームで11試合・19回だったが、高卒2年目から一軍に抜擢され22試合・68回を投げ、3勝2敗5ホールド1セーブ、防御率3.31の成績を残した。木村のように、来季2年目を迎える石垣元気、奥村頼人、さらには育成の中山といった高卒組も来年の春にアピールすれば、一軍抜擢もあるのだろうかーー。

 「もちろんそうですね。体づくりをしっかりした上でという“条件付き”ではありますけど、試合でいいものを出してくれれば、結果を出せば一軍で投げられる。監督もそういう方針でやっていますので、その可能性は十分あります」

 来季、種市が昨季までのような働きをしたとしても、計算のできる先発が少ないのが現状。夏場以降先発で存在感を見せた高野脩汰と田中晴、そこに河村、廣池康志郎、毛利、吉川、故障から復帰を目指す木村など“伸びしろ”のある若手・中堅が化け、ベテランの西野、石川柊が復活すれば、ある程度枚数は揃う。

 「主力の種市であったりそういうピッチャーは年間回ってもらいたい。他の若い先発に関しては不調になった時に二軍に行く時もあるので、代わりの先発を抱えられるように調整させたいと思っています」(建山コーディネーター)。来季は故障者が少なく、シーズン通して運用できる先発陣を作って欲しい。

取材・文=岩下雄太

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