
◆SMBC日本シリーズ2026第1戦 DeNA1―3ソフトバンク=延長11回=(24日・横浜)
極限まで集中力を高め、バットを振り抜いた。同点の11回1死一、二塁だった。ソフトバンク・庄子は7番手・馬場の150キロをたたいた。打球は横浜高時代の同級生でもある左翼・度会の頭を越えた。「気づいたら打っていて、気づいたら二塁にいた」。大卒2年目の若タカが決勝の二塁打。総立ちのベンチを見ると、笑みがはじけた。
今季は今宮、川瀬らを押しのけ、遊撃の定位置をつかんだ。自身初のポストシーズンでも堂々とプレー。CS最終Sで打率4割5分5厘をマークし、MVPを獲得した。初先発した日本シリーズでも高いパフォーマンスを発揮。7回無死二、三塁で先制の二ゴロを放ち、シリーズ初打点を記録した。5回の初安打に加え、試合を決する一打。大舞台でも物おじしなかった。 神奈川・横浜出身。敵地・横浜スタジアムをホームのように感じている。「見に行くならハマスタという感じでした」。幼少期から応援に出かけ、プロ野球選手にあこがれた場所。キャリアも横浜高、神奈川大と過ごし、実際にプレーもした。フェンスの高さ、打球のはね方も熟知している。
プロ入りを果たし、福岡へ向かった。故郷を離れても、大事にしているのは神奈川で培ったものだ。「野球を始めて母から『謙虚と感謝』というのは言われてきた」。今季は自己最多の108試合に出場。早出練習を欠かさない姿勢に注目されがちだが、庄子本人は「僕だけでは不可能。打撃投手の方や、アナリストの方がいてくれることに慣れてはいけない」と謙虚だ。グラウンドキーパーや裏方さんへの感謝は必ず言葉にする。
2年前の頂上決戦では2連勝からの4連敗。同じ相手のDeNAに先勝し、小久保監督も「本当に庄子がよく打ってくれました。とにかくあと3つ勝つことだけ考えてやっていきたい」とたたえた。伏兵がつくった最高の流れ。一気に突っ走る。(森口 登生)