故意落球の“故意”とは何か? 犠打の小フライで起きる「0.1秒の駆け引き」

パ・リーグ インサイト

2025.6.30(月) 16:01

「0.1秒の駆け引き」と題して実例を紹介©パーソル パ・リーグTV
「0.1秒の駆け引き」と題して実例を紹介©パーソル パ・リーグTV

 パーソル パ・リーグTV公式YouTubeでは、野球界の常識をアップデートする番組『P's UPDATE』を公開中。6月26日(木)配信のテーマは『インフィールドフライ』。ゲストに元NPB審判員の坂井遼太郎さんを迎え、西岡剛さん、館山昌平さんとともにルールを深堀りした。

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 インフィールドフライは故意の落球によるダブルプレーから攻撃側を守るためのルール。ではどんな故意落球の例があるのか、パ・リーグ映像を坂井さんらの解説とともに紹介した。その中で『0.1秒の駆け引き』としてバントの小フライに関するプレーが紹介された。

 2024年9月10日、北海道日本ハム対埼玉西武戦でのプレー。無死1塁でバントが小フライになったが、捕球体勢に入った伊藤大海投手がグラブを引き、わざと落としてダブルプレーにしたというシーンだ。「落とせ!」という声もあり、故意に落としてはいるものの、これは故意落球にはならないという。

 坂井さんは「あくまで故意落球とは、自分の身体を使って打球を落とすこと。これは特に触れていないので故意落球にはならない」と解説。2019年7月20日の北海道日本ハム対千葉ロッテ戦でも捕手・田村龍弘選手があえて落としてダブルプレーを取っているが、これもグラブには触れていない。

 また、ダブルプレーの取り方にもポイントがある。2024年のプレーでは打者走者からアウトにしているが、もっと簡単にするなら1塁走者をアウトにするべきだと坂井さんは言う。先に打者走者をアウトにすると1塁走者の占有権が残り、走者が1塁に戻って触れているとアウトにできなくなってしまう可能性があるためだ。

 実際、2019年のプレーでは中村奨吾選手が戻った1塁走者を先にアウトにし、その後ベースを踏んで打者走者をアウトにした。逆の順番だった場合、1塁走者はセーフとなり、プレーが生きなくなる。選手のルールに対する理解も大切だということがわかるプレーだった。

『P's UPDATE』はパーソル パ・リーグTV公式YouTubeチャンネルおよびパーソル パ・リーグTVで配信中。

配信番組『P's UPDATE』
#10『守備妨害』
MC:上重聡さん ゲスト:坂井遼太郎さん、西岡剛さん、成瀬善久さん

#11『インフィールドフライ』
MC:上重聡さん ゲスト:坂井遼太郎さん、西岡剛さん、館山昌平さん

#12『マウンド』※7/5公開予定
MC:上重聡さん ゲスト:成瀬善久さん、館山昌平さん

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