
◆パ・リーグ 日本ハム1―2ロッテ(25日・エスコンフィールド)
母校・明徳義塾の猛練習で寺地が体に染みこませたバントの技術は、衰えていなかった。1―1の同点で迎えた7回1死一、三塁。サインはセーフティースクイズだった。「出ると思った」と準備も万端で北山の初球、152キロの速球を一塁前に転がし、決勝点をもたらした。
試合でスクイズを決めたのは、侍ジャパンU18代表として出場した23年9月のU18W杯・ベネズエラ戦以来、2度目。サインを出したのは、ジャパンの指揮官を務めた明徳義塾・馬淵史郎監督だった。2年目の今季の開幕1軍入りを真っ先に伝えた恩師に、“恩返し代わり”のバントとなった。
スタメンマスクは5試合目で4勝1敗。2試合続けて初回先頭打者に初球を本塁打されたのは史上初の屈辱。配球面の課題は山積だが「大変な部分もあるが、いい勉強にもなっている。捕手としての準備が打撃にもつながってくれたら」と前向き。先発のボスとは、昨季終了後に参加したオーストラリア・ウィンターリーグ仕込みの英語でコミュニケーションを取って好リードした。
今季2度目の3連勝で借金を完済した吉井監督は「あいつはバント、うまいですよ。高校時代にかなり練習してきたのではと思います」とうなずいた。24日は先輩に連れられて札幌のすしを堪能した19歳捕手が、チームを活気づけている。(阿見 俊輔)
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