楽天・宗山塁 ルーキー一番乗りプロ1号「本塁打くらいは先に出てくれて良かった」

スポーツ報知

2025.4.17(木) 06:00

3回無死、宗山がプロ初本塁打を放ち、ナインと笑顔でハイタッチする(カメラ・朝田 秀司)

◆パ・リーグ ソフトバンク2―6楽天(16日・みずほPayPay)

 ひょっとして入るかな。宗山は祈るような視線を右翼方向へ送った。先頭打者で迎えた3回の第2打席。カウント1―0から上沢の投じた真ん中へのチェンジアップを捉えた。「バットの先でしたけど、いい角度で上がってくれた」。打球は右翼テラス席へ。小学校時代、カープ・ジュニアでプレーした思い出の球場で飛び出した15試合目でのプロ初アーチは、12球団の新人を通しても第1号。「自分より打っている選手がいるので本塁打くらいは先に出てくれて良かったと思います」。柔らかい笑みの中にライバル心をのぞかせていた。

 明大で東京六大学史上7位の118安打を記録した確実性のある打撃が持ち味だが、長打力も兼ね備えている。宗山の下級生時代からつぶさに視察してきた楽天の沖原佳典・アマスカウトグループマネジャー(52)は「シンプルでタイミングの取り方がいい。体は大きくないけど、ボールに力を伝えるのが上手。引きつけられるから呼び込んで打てるし、遠くに飛ばせる」と分析する。

 8回の第5打席では左翼線に二塁打を放ち、6度目のマルチ安打を記録した。「あとは経験と体力だけ。いい成績を残せると思う」と沖原氏。開幕前には宗山から「頑張ります」といった旨のLINEが届いたという。その通りの活躍を見せている。

 6回1死満塁の守備では、渡辺が放った左飛で本塁を狙った三塁走者の山川の生還を好中継で阻んで反撃の芽を摘んだ。「次はどうなるか分からないので、練習からまだまだ精度を上げていけるようにやっていきたい」と浮かれるところはない。チームは宗山の一発から今季最多の6得点を挙げてカード勝ち越しを決めた。6打点は浅村や阿部と並びチームトップだ。「勢いをつけてくれる打撃で非常に良かった」と三木監督。背番号1がイヌワシ軍団をけん引していく。(秋本 正己)

 ◆宗山 塁(むねやま・るい)2003年2月27日、広島・三次市生まれ。22歳。三良坂小1年から三良坂少年野球クラブで野球を始め、三良坂中では高陽スカイバンズでプレー。広陵では1年夏、2年春の2度甲子園に出場。明大では2、3年時に大学日本代表に選ばれた。東京六大学通算118安打。175センチ、79キロ。右投左打。

◆明大前監督・田中武宏氏「一喜一憂せず自分らしくやってくれれば」

 ―宗山選手が待望のプロ1号を放ちました。

 「えっ、そうなんですか。実は、地上波とBS放送でしかプロ野球を観戦することができないので、先ほどまで巨人戦を見ていたんですよ(笑)」

 ―ドラフト1位の選手らしく、開幕からしっかりチームに貢献しています。

 「時々テレビで見る限り、大学時代と『変わっていないな』と。ヒットで出塁した後の様子も淡々としていて面白くないですから(笑)」

 ―お互いに連絡したりしているのですか。

 「開幕前にメールがあったくらいです。『暖かくなったら仙台に行くよ』と伝えてあるので、その時を楽しみにしています」

 ―今後、どのような活躍を期待していますか。

 「宗山のことなので、10年先、20年先を考えながら野球に取り組んでいるのでは。打った打たない、勝った負けたで一喜一憂しない。自分らしくやってくれれば、それでいいと思っています」

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