【オリックス】12球団最年少43歳指揮官うれしい初白星「絶対に諦めずにやっていこう」 開幕戦サヨナラ勝ち 

スポーツ報知

2025.3.29(土) 06:00

2回1死一塁、太田椋が先制の左越え2ラン本塁打を放ち、岸田護監督は大喜び(カメラ・馬場 秀則)

 ◆パ・リーグ オリックス3×―2楽天(28日・京セラドーム大阪)

 岸田監督が、かみ締めるように言葉を発した。2―2の9回2死二塁、若月が楽天・鈴木翔の2球目を捉えた当たりは、中堅手のはるか頭上へ。球団では阪急時代の77年以来となる、開幕戦でのサヨナラ勝利となった。本拠地での開幕戦勝利も15年ぶり。「うれしかった。みんなよくやってくれたというのが率直な気持ちです」。同じく阪急時代の79年・梶本隆夫以来となる、チームの新人監督の開幕戦白星を感慨深げに振り返った。

 試合前には、指揮官自らがベンチで声を張り上げた。「みんな秋から目の色を変えてやってきて、なんのためにかって、2025年に勝つため。もう準備できてると思うから、ここからノンストップで約半年間やりきるよ、全力で。いつも勝つ気持ちを忘れずに、絶対に諦めずにやっていこう。絶対に勝てるから。さあ行こう!」。12球団の最年少43歳の指揮官らしく、熱い言葉でチームの士気を高めた。

 オープン戦では、西川が打率5分1厘と苦戦。安打が出ない状況が続いても、打撃コーチからの提案を尊重。「40~50打席は与える」という方針をぶらすことはなかった。西川は25日のウエスタン・阪神戦で“29打席ぶり”安打を放つと、この日はいきなり3安打をマーク。オープン戦で同1割2分1厘と苦しんだ頓宮には「責任は感じなくていい。肩の力を抜けよ」とフォローするなど、選手を信じることも大事にし続ける。

 大学卒業時は野球を続けず、スノーボードのインストラクターを目指したこともあった。それでも「野球がいつも、自分を迎え入れてくれた」。05年に大学・社会人ドラフト3位で入団し、バファローズ一筋で歩んだ野球人生。「オリックスは恩があり、縁のある球団」。マモさんの恩返しが始まった。(南部 俊太)

 昨年10月、岸田監督は中嶋前監督から重いバトンを受け取った。「監督は大相撲で言えば横綱のようなもの。結果が出なければ去るしかない」と腹を決めた。就任と同時に、1軍の試合の映像をiPadに収めた。「野手のことは分からないから…」。過去3年分で400試合以上。膨大な量を頭の中で整理した。

 初采配は同年秋のフェニックス・リーグ。ある時に若手全員を集め、そして問いかけた。「ライブを見に行く時、みんなお金を払うやろ? 演者が全力じゃなければ、お客さんはどう思う?」。攻守交代やプレー中の全力疾走。基本だからこそ、大切にしたかった。

 頼まれたサインには、必ず「日々新たに」と言葉を添える。中学2年時、98歳で亡くなった祖父・新(あらた)さんの教えを守っているからだ。少し酒量は増えたが、朝のランニングや炭酸風呂で均整の取れた体型を維持。新人指揮官の持つ「常熱」は奥が深い。(長田 亨)

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