
◆ラグザス 侍ジャパンシリーズ 2025 オランダ0―9日本(6日・京セラドーム)
「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025」第2戦は、世界ランク1位の日本が同7位のオランダを9―0で下し、連勝を飾った。代表初先発のロッテ・種市篤暉投手(26)が2回完全、2奪三振と快投。来年3月のWBCでは大谷、山本、今永、佐々木ら先発候補がそろう中、第2先発候補も充実してきた。投手陣は8回2死までパーフェクトで、2試合連続1安打完封リレー。WBC1次ラウンド初戦(対戦相手未定)のちょうど1年前の3月6日に、2大会連続世界一へ屈指の投手力を見せつけた。
球場がざわついた。代表初先発の種市は初回2死。オランダ3番・プロファーのバットを自己最速タイの155キロ直球で粉砕し、遊ゴロに仕留めた。「一番僕がビックリしているというか。持ってないものが出たかなと思います」。23球で2回完全。2奪三振の好投で、26年WBCの「第2先発」候補に急浮上した。
三振を奪ったのは、ともに「生命線」と語るフォーク。今オフから従来の140キロ台中盤で落ちる「スプリット」と、スピードを落としてでも落差を追求した「フォーク」を投げ分けるよう意識してきた。「(より落差を求めたのは)戸郷選手(巨人)もそうだし、(佐々木)朗希は速いですけど、当たらないボールが一番」。今も連絡を取る朗希からの助言も生きたという。外国人打者に対して有効とされる落ち球を自在に操れるのは大きな魅力。通算奪三振率は1イニング1個を上回る9・41と申し分ない。
さらにWBCではMLB同様、投球間に時間制限を設ける「ピッチクロック」が導入されているが、種市のテンポの良い投球なら問題ないだろう。メジャー組も加わる可能性が高いWBCでは大谷(ドジャース)ら強力な先発候補がそろうが、種市は侍デビュー戦となった昨年3月の欧州代表戦(第2戦)では8回から救援し、継投による完全試合を完成させた。球数制限のある国際舞台で重要視される「第2先発」の適性も十分と言えそうだ。
井端監督を「スピードガン以上に速く見えた」とうならせた種市は、23年のWBCにはサポートメンバーとして携わった。だからこそ、本大会への思いは誰よりも強い。「WBCに出られるよう、強烈なインパクトを与えられるようにシーズンも頑張ります」。20年の右肘手術を乗り越えた剛腕がドリームメンバー入りを狙う。(中村 晃大)
◆23年WBCの第2先発 主に大谷、ダルビッシュ、佐々木、山本が先発を務め、戸郷、今永(決勝は先発)、高橋奎、伊藤らが主に第2先発を担った。NPBのエース格が第2先発に控える投手力は世界屈指で、3大会ぶり世界一の原動力となった。
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