
オリックス・岸田護監督(44)と平野佳寿投手兼任コーチ(41)の「盟友対談」がこのほど実現した。今季から初めてさい配をふるった岸田監督は、昨年の5位から3位に引き上げ、不動の守護神として貢献してきた平野は新たに投手コーチ兼任でプロ21年目を迎える。2005年のドラフト同期で、兄弟のような関係を築いてきた2人。来季の3年ぶりリーグ優勝へ、熱い思いをぶつけ合った。(取材・構成=長田 亨、南部 俊太)
―岸田監督は就任2年目を迎え、平野投手はコーチ兼任となった。高知での秋季キャンプを振り返って。
岸田監督(以下岸)「秋に個でやるべきことを明確にして、オフに入ってほしいので。選手一人一人がが自分のことを分かる、というのが大事。そこを見ていました。僕がああだ、こうだは言いません。コーチの人と話している時の選手の顔、表情を見るようにしていました」
平野(以下平)「僕はコーチの勉強をさせてもらうということを一番に考えて、高知に来させてもらいました。コーチがどれだけ選手一人一人のことを考えて、動いているのかも実感しました。今は選手が好きなようにやって、少しズレがあれば軌道修正するという感じ。キャンプで驚いたのは岸田監督が『言わない』ということです」
岸「順序を守って、飛び越えないということは大事にしている。コーチの人も勉強しているし、和を持ってやらないといけない」
平「例えば岸田監督と似たような投げ方をしている子がいれば、パッと言ってしまうと思うんですよ。でもそれは言わない。僕らを立てているんですよね?」
岸「僕の思考が全部合っていることなんて、あり得ないから。『監督が言ったから』と正解になってしまえば、選手にとって良くない。軽く『こうしろ、ああしろ』と言って、それが間違いであっても、正解になってしまう。そんなことが起こってはいけない」
平「今までは選手同士、選手とコーチ、選手と監督という関係でした。これからはコーチ半分でやらせてもらうので、近づきやすくなりました。また前のように、というか。よくしてくれるお兄ちゃん、みたいな感じですね。選手みんな、そうじゃないですか?」
岸「平野との関係は変わらないでしょう。仕事の話は間違いなく増えると思うけど、接し方は変わらないような気がします。年齢的にもよくできた『すっげぇ弟』みたいな感じですね」
平「同級生やと思ってましたけどね…(笑)」
岸「ドツいたろか(笑)。それは冗談。まあ、付き合い方は変わりませんね」
―05年ドラフトで同期入団の2人。お互いの何か一つをほしいと言われれば?
岸「体の強さと身長です」
平「それ、二つですね(笑)」
岸「投手としてはこの二つでしょう。これだけのレジェンド。あの数字をたたき出すのは、並大抵のことではないですから」
平「僕は岸田監督の強じんな胃袋ですね。何を食べても飲んでも、絶対に顔には出さないのがすごい」
岸「絶対、言うと思った…(笑)」
平「岸田監督が先発をしていた時、5回が終わってから、うどんを食べるんですよ。食堂に来て『アカン、パワーが出ぇへん』って。そんな投手、いますか? うどんを食べて、6回途中で交代。そのうどん、何やってん?って思いますよ…」
岸「塩ラーメンで打たれたのもあったね(笑)」
平「野球で言えば、岸田監督の柔らかさがほしかったですね。柔らかい、ムチのような投げ方から伸びるストレート。ストレートでの空振り率って断然、岸田監督の方が上なんです。僕は上からドーンと投げるようなストレートで、空振りを取れるような球じゃない。僕とは真逆なんです」
岸「まったく真逆やね。お互いに『いいな』って思うところも、まったく真逆。僕は平野みたいにフォークが落ちなかったから」
平「岸田監督は柔(柔らかい)で、僕は固(固い)ですね。体の関節的にも、岸田監督のような投げ方はできません。でもやっぱり、胃袋かな…(笑)」
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