予見できなかった楽天・西口直人のサクセスストーリー…来季先発転向、ドラ10から10勝いける

スポーツ報知

2025.11.29(土) 16:00

西口直人

◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 プロ野球選手と接する仕事をしていて、自分の目が「節穴」だと感じることが結構ある。特に高卒や無名校出身のドラフト下位指名の選手には余計なバイアスがかかっており、大成した姿を思い描けないことも多い。

 先日、2年ぶりに宮崎で再会したのが楽天・西口直人投手(29)だった。9年目で侍ジャパン初選出。15、16日に行われた韓国との強化試合の事前合宿地・サンマリン宮崎の通路でばったり出くわした。

 前回会ったのは23年の冬。同年9月に右肘のトミー・ジョン手術を受けて2軍施設でリハビリ中だった。ようやく右腕を動かせるようになった頃で「今はバケツに入った米粒を繰り返し握って握力を戻すことからやっています」と、経過を教えてくれた記憶があった。昔話を振ると「そうでしたね~」と懐かしそうな表情を浮かべて笑っていた。

 大阪府立山本高から甲賀健康医療専門学校に進学という異例の経歴の持ち主で、16年のドラフトでは12球団の支配下選手で最後となる10位指名だった。当時、野球記者2年目だった私は、無名の19歳がその後、並々ならぬ努力を重ねて球界屈指のリリーバーへと成長を遂げ、9年後に日の丸を背負っているとは見当もつかなかった。

 スカウトの指名あいさつを受けた際に「将来は15勝挙げられるような投手になりたい」と力強く語っていた。来季から西口は先発に転向する予定。「10勝はできる」と読んだ記者の目が「節穴」だったかどうかは、来季終了後に“答え合わせ”しよう。(野球担当・長井毅)

 ◆長井 毅(ながい・つよし) 11年入社。愛媛生まれ。実家は農家ではないが、冬になると同僚にミカンを催促される。侍ジャパン担当。

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