
オリックス・平野佳寿投手(41)が6日、スポーツ報知既報通り、来季からコーチ兼任となることを明かした。レギュラーシーズンの全日程が終了した5日までに球団との話し合いを終え、来季の方向性が一致。「今までしてもらったことを、次は僕が返す番かな。少しでも選手以外のところで、(チームの)助けができたら」と、プロ21年目を見据えた。
21年に米大リーグから復帰し、41歳はパ・リーグの投手で最年長。今季は4月3日のロッテ戦(ZOZO)で史上4人目のNPB通算250セーブを達成したが、1軍では3試合の登板に終わった。ここ数年は右肘や腰に慢性的な不安を抱えており「ずっと戦力になれていないベテランが居続けるのもどうかな、と葛藤もあった。僕の中で『選手一本で』とは言えなかった」と心境を吐露。「兼任だからこそ、できることもある。すごく尊重してくれていると感じたし、ありがたいと思った」と球団からの打診にも感謝した。
投手としては今季、ウエスタンでは16試合で防御率1・69と一定の結果。常時150キロは計測できなくなったが「面白いボールを投げられている実感もあった」と、新球ツーシームにも手応えを感じている。球団は日米での豊富なキャリアだけでなく、野球への取り組みや精神的支柱としても高く評価。平野自身も「若い子がウロウロしていたら、取って代わるくらいの気持ち。選手として、まだ力になりたい」と第一線で戦う覚悟も示した。
岸田監督とは05年のドラフト同期で、盟友。「自分のことは二の次で、周りの選手たちのためにやるのがコーチ。もう一回、頑張ってオリックス優勝を。岸田監督の力になりたい」と価値のある「二刀流」にするつもりだ。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
◆平野に聞く
―決断に至った経緯。
「正直、1軍でこの1~2年は戦力になれていなかったところもある。選手とコーチの架け橋というか、(双方の意見を)渡すところにうまくはまればいいかなと思って、受けさせてもらった。現役もやらせてもらい、コーチの方もしっかり勉強させてもらいたい」
―選手とコーチの両立。
「選手としてしっかり練習するけど、(若い)選手の子たちとしっかり向き合って、レベルアップして、強い子に育ててというか、一緒に行けたらいい。選手として頑張って貢献するのが一番いいけど、コーチをないがしろにする方が良くない。練習は個人でも(全体練習が)終わってからでもできるので」
―8月以降は好投。
「投げる時の状態は良かったですね。しっかり自分の中で、41歳の走り方はできていたと思う。まだ完全燃焼までいってなかったのもある。でも、自分の現在地は分かっているつもりで、選手一本はおこがましいっていうのがあった。来年は選手としてめちゃくちゃ良かったら、それはそれで行けばいいだろうし、一生懸命にコーチもやります」
―岸田監督と一緒に指導したい思いもあったか。
「岸田さんが監督をしているうちに、コーチ業をやりたいなっていう思いもあった。岸田さん、比嘉さん、安達コーチとか現役で一緒にやった人たちがコーチとして頑張っている。岸田監督のために、オリックスのためになればいい」
―今の投手陣をどう見ているか。
「みんないいと思いますよ。若い子もどんどん出ているし、けが人も復帰すれば十分いい戦力になってくる。ここからドラフトとかもあったりして、どんどんいい選手もいっぱい来ると思うので、コーチとして、その子たちをしっかり上(1軍)で活躍できるようにサポートしたい」
関連ニュース
・【オリックス】平野佳寿プロ21年目は投手コーチ兼任…後進の育成にも尽力で盟友・岸田監督支える
・【オリックス】平野佳寿と来季契約更新へ パ・リーグ最年長の名球会投手 日米通算21年目の舞台を用意
・【オリックス】平野佳寿、今はシーズン集中「しっかり全うしなきゃいけない」 球団は来季契約の方針で面談
・【オリックス】平野佳寿が28日にも実戦復帰「試合に投げられる状態にまで来た」ウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦
・【オリックス】日米通算257セーブ右腕を実績に配慮して「レジェンド起用」 岸田監督は抑え構想明かす