
日本ハム・宮西尚生投手(37)が29日、自ら記す連載「勇往邁進(ゆうおうまいしん)」で、16度目となる開幕への心境を明かした。昨年9月の左肘手術から復帰し、プレシーズンは7試合無失点、オープン戦は6試合無安打と圧巻の投球で開幕1軍のメンバー入り。新球場「エスコンフィールド北海道」の歴史的一戦も、鉄腕は「開幕8戦目」と捉えて迎える。そこには今季に懸ける思いと、中継ぎ投手ならではの理由があった。
3月は納得できる登板ができました。同じ成績だったら、若手が使われるのは分かりきっていること。オープン戦は「若手以上の結果を残す」ことしか考えていませんでしたし、それを達成できたんじゃないかと思います。終盤は結果を残しつつ、「左打者に対してチェンジアップと内角直球を投げる」というテーマを持って打ち取ることができた。モノにできた感覚があります。
プロに入ってから初めての試みとして、今年は2月18日の初実戦(対中日、名護)を自分の開幕日としました。開幕戦は大々的に行われると思いますが、自分の中では「8試合目」。オープン戦からシーズンと同じだけ緊張して、同じだけ結果を残して、同じだけ0で抑えて。結果を残さなきゃいけない立場だったので、そこを突き詰めてきた。30日は、僕の中ではただの1試合です。
開幕を「オープン戦の延長線上」とした理由は、他にもあります。リリーフ投手は開幕から10試合のうちに2、3点取られると、防御率が跳ね上がる。もしその次の試合で点を取られれば、取り返しがつかなくなってしまうんです。そうなると、1年間を通して精神的にきつくなってしまう。今までは開幕からの1か月を重視していました。
今年は実戦7試合を無失点に抑えることができたので、仮に開幕戦で点を取られても「8試合目で点を取られた」にすぎない。「次の10試合は0で抑えられるように頑張ろう」という切り替えができます。
今は、久しぶりに投げることが楽しいです。去年まではそんなことを考えず、普通に投げて抑えていた。連続50試合登板の記録を期待していただいてたこともあり、気が疲れていたのかもしれません。
記録が途切れ、「体も肘も痛くて動かない、もう辞め時か」と考えた所からの再スタート。体が動くようになり「悔いなく一日を終わる。1軍で投げること自体が楽しい」。先輩に負けないようにと考えていた、1年目以来の感覚です。目標が低くなったように感じるかもしれませんが、これが本来のあるべき姿なのかなと思っています。(宮西 尚生)