227奪三振で2017年・則本の「222」を超え「尊敬できる先輩を目標にしていた」
自身初の最多奪三振のタイトルを獲得した福岡ソフトバンクの千賀滉大投手が改めて心境を語った。1日、ヤフオクドームでの投手練習に参加した千賀が、練習後に最多奪三振のタイトル獲得に関して囲み会見に応じた。奪三振数227は則本昂大(楽天)が2017年に記録した222個を上回り、奪三振率も歴代最高の「11.33」だ。
「本当に200という数字が僕の中で1つのキーでしたし、それを超えることができて良かったです。1年間ケガをせずに投げていった中で、則本さんという偉大で尊敬できる先輩の数字を目標にしていたので良かったです。率についても歴代の一番上に立ったのはすごくうれしいですね」
昨年の奪三振数163から大きく数字を伸ばす中でも、空振り三振が大きく飛躍。逆に見逃し三振は昨年よりも2つ減った。
「このタイトルはイニングを放れた(自己最多の180回1/3)というのが大きいと思いますし、見逃しの少なさは僕の足りないところだと思います。そこに関してもう少し伸ばしていきたいです」
「ランナーが貯まった時の三振ほど貴重なものはない」
一番印象に残った三振については、9月12日の埼玉西武戦(メットライフドーム)の7回、1死二、三塁で栗山と外崎から奪った連続三振を挙げた。「1点もやっちゃいけない場面だったし、先に点を与えちゃいけないところでそれができたことが良かった」という千賀。その前の9月6日のノーヒットノーランも毎回奪三振で、最後も三振で決めたが「あの日はノーヒットノーランの方が大きくて、三振に関してそんなに頭になかったです」と語る。
また、今季は奪三振1個について1万円を児童虐待防止に取り組むオレンジリボン運動に寄付することを決めていたが「それに関しても200が目標でしたし、モチベーションの1つでもありました」とした。
「ランナーが貯まった時の三振ほど貴重なものはない。前に飛ばされたら何が起こるかわからないという状況の中で三振が奪えるのは強みでもあるので、そういう選手になっていきたい」
11月の「プレミア12」に挑む侍ジャパンに選出され、稲葉監督から「中心に、先頭に立ってやってもらいたい」とエースとしての期待を寄せられた千賀。シーズンを通して長いイニングを投げてこそ得られるタイトルの獲得は、千賀にとって何よりも大きな自信になることだろう。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)
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