初日47杯から1年半で170杯超え 元マーチングバンド日本一の2年目なおさん【福岡発 売り子名鑑2019】

Full-Count 福谷佑介

2019.9.17(火) 21:07

キリンビールの「なお」さん※写真提供:Full-Count(写真:福谷佑介)
キリンビールの「なお」さん※写真提供:Full-Count(写真:福谷佑介)

始めた当初はあまりのしんどさに驚き「キツすぎて本当にビックリしました」

 スタジアムでの野球観戦、そのお供として楽しみにしている人が多いのが、キリッと冷えたビールだ。まだ残暑の残るこの季節、息詰まる試合と飲むビールはまた格別だろう。そのビールに欠かせないのが球場の“華”として日々、汗を流して働く各ビールメーカーの売り子たち。10キロを超えるビールのタンクを背負い、階段ばかりの球場内を歩き回るのはかなりの重労働。日本独特の文化で、実はスタジアムを訪れる外国人観光客からの注目度、人気も高い。

 福岡ソフトバンクホークスの本拠地ヤフオクドームで働く売り子たちも、それぞれに人間模様があり働いている。“美女どころ”と言われる福岡の売り子を紹介する人気企画「福岡発 売り子名鑑2019」。彼女らの奮闘を知っていただき、残りわずかなシーズンとなった球場での観戦の楽しみの1つとしてもらえたら幸いだ。

 第11回はキリンビールの「なお」さん、だ。

 現在、大学3年生で売り子歴は2年目を迎えた彼女。三塁側内野席とバックネット裏を主な持ち場として働く21歳の美女売り子だ。

 売り子を始めたのは、大学2年生のとき。元来、家族の影響もあって野球が好き、ヤフオクドームにもよく足を運んでいたことから、高校生の頃から売り子の世界には興味を持っていた。ただ、「なかなか勇気が持てず……」と始めたのは2年生になってからだった。

「高校の先輩が売り子をやっていて、それで話を聞いて始めました」と始めた売り子。先輩からは「キツイけど、やりがいはあるよ」と教えられていた。だが、いざ始めてみると、そのしんどさは予想を遥かに超えていたという。

 始めたその日は「足がガクガクになってしまい、キツすぎて本当にビックリしました」という。「最初は楽しいとは思えなかった」という「なお」さんだが、日毎に増えていく売り上げ杯数や、自分のことを覚えてくれるファンの存在によって、売り子の楽しさ、やり甲斐を感じられるようになった。

 売り子を始めた初日の売り上げは、わずか47杯。それでも、地道に努力を重ねてきた。「とにかく笑顔でいることを心がけています。そこまで話すのは得意ではないので、まずは笑顔。あとは売れない時でも、休憩に逃げないこと。売れないときにはやっぱり休憩が多くなりがちなんですけど、それはなくそうと思っています」。1年半が経過し、売り上げの最高は3倍超の170杯を超えた。

 高校時代はマーチングバンドに没頭してきた彼女。指揮者となる「ドラムメジャー」を務め、全国大会で金賞に輝いて“日本一”になった経験を持っている。「どんどん自分のことを覚えてくれるお客様が増えたり、待ってたよと言ってくれる人が増えたら嬉しいんです。今年中に200杯超えたいです」と語る「なお」さん。目標とする200杯超えを目指し、今日もヤフオクドームで奮闘している。

記事提供:Full-Count

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