10年ぶり「捕手の2桁盗塁」達成なるか? 阪神梅野とホークス甲斐が足で魅せる

Full-Count 広尾晃

2019.7.5(金) 16:49

阪神・梅野隆太郎※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
阪神・梅野隆太郎※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

捕手の2桁盗塁は直近では2009年の阪神・狩野が達成

 阪神の梅野隆太郎捕手は今季すでに9盗塁。セ・リーグ盗塁ランキングで7位タイにつけている。また、パ・リーグでも福岡ソフトバンクの甲斐拓也捕手が7盗塁。捕手と言えば「鈍足」が通り相場の中、今年は久々に「俊足の捕手」が目立っている。

 過去10年の“捕手の盗塁王”(出場試合の半数以上で捕手として出場した選手)。

2018年

森友哉(西)7盗塁/136試合(捕)81(指)52

梅野隆太郎(神)5盗塁/132試合(捕)132

2017年

田村龍弘(ロ)4盗塁/132試合(捕)130
甲斐拓也(ソ)4盗塁/103試合(捕)102(指)1

小林誠司(巨)2盗塁/138試合(捕)137
中村悠平(ヤ)2盗塁/127試合(捕)126

2016年

田村龍弘(ロ)6盗塁/130試合(捕)129

石原慶幸(広)4盗塁/106試合(捕)106

2015年

嶋基宏(楽)6盗塁/117試合(捕)116

中村悠平(ヤ)3盗塁/136試合(捕)135

2014年

嶋基宏(楽)6盗塁/126試合(捕)123(一)1(指)1

松井雅人(中)3盗塁/67試合(捕)63

2013年

伊藤光(オ)4盗塁/137試合(捕)137

谷繁元信(中)など7人が1盗塁

2012年

中村悠平(ヤ)1盗塁/91試合(捕)90
倉義和(広)1盗塁/70試合(捕)66

鶴岡慎也(日)3盗塁/116試合(捕)116
嶋基宏(楽)3盗塁/91試合(捕)88(指)2
岡島豪郎(楽)3盗塁/43試合(捕)36(指)3

2011年

嶋基宏(楽)7盗塁/129試合(捕)126(指)1

石原慶幸(広)2盗塁/110試合(捕)106

2010年

嶋基宏(楽)9盗塁/127試合(捕)127(一)1

城島健司(神)9盗塁/144試合(捕)144

2009年

狩野恵輔(神)10盗塁/127試合(捕)122

鈴木郁洋(オ)8盗塁/63試合(捕)57(指)3(外)1

捕手の最多盗塁は1952年大洋・荒川昇治の32盗塁

 少し前まで駿足の捕手と言えば楽天の嶋基宏だった。通算でも50盗塁しているが、最近はやや陰りを見せている。梅野、甲斐が2桁盗塁をマークすれば、2009年の阪神・狩野恵輔以来10年ぶりとなる。21世紀以降でシーズン2桁盗塁を記録した捕手は、この年の狩野だけだ。

 かつては、俊足が売りの捕手も少なくなかった。捕手のシーズン盗塁数5傑。

32盗塁 1952年 荒川昇治(大洋)109試合(捕)107
30盗塁 1940年 吉原正喜(巨人)104試合(捕)104
25盗塁 1950年 荒川昇治(松竹)132試合(捕)131
20盗塁 1984年 伊東勤(埼玉西武)113試合(捕)113
20盗塁 1939年 三浦敏一(名古屋)83試合(捕)65

 20盗塁以上は5例だけ。荒川昇治は草創期のセ・リーグで活躍した強打の捕手。ホームスチールも記録している。近年では、前千葉ロッテ監督で現中日コーチの伊東勤が、5回2桁盗塁を記録。通算でも134盗塁。9盗塁の梅野、7盗塁の甲斐はともに盗塁死は2回だけ。成功率が高いから、ベンチからゴーサインが出るのだろう。

 昭和時代には捕手の2桁盗塁は50回記録されているが、平成時代は7例だけ。令和最初の年に、2人の捕手2桁盗塁という“偉業”は達成されるだろうか?

(広尾晃 / Koh Hiroo)

記事提供:Full-Count

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