本命は鷹&広島。対抗馬は…岩村明憲氏が予想するセパ、古巣燕は「投手次第」

Full-Count 篠崎有理枝

2018.3.12(月) 14:04

現在、BCリーグ福島ホープスで監督を務める岩村明憲氏(C)Full-Count
現在、BCリーグ福島ホープスで監督を務める岩村明憲氏(C)Full-Count

岩村明憲氏が予想する2018年ペナントレース、注目は横浜DeNA外野手2人

3月に入り、プロ野球は開幕に向けオープン戦が行われている。昨シーズン、パ・リーグは2年ぶりに福岡ソフトバンクが制し、日本一も達成。

一方、セ・リーグはレギュラーシーズン3位の横浜DeNAがクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで同1位の広島を破る下剋上を遂げた。

果たして今シーズンはどのような展開になるのか。東京ヤクルトで日本一を経験、メジャーでも3球団でプレーし、現在はBCリーグ福島ホープスで監督を務める岩村明憲氏に話を聞いた。

岩村氏は、パ・リーグの優勝候補に福岡ソフトバンクを挙げる。優勝を何度も経験していること、そして選手層の厚さから、今シーズンも間違いなく優勝争いをすると予想。キャンプの雰囲気が非常によかったことも理由の一つに挙げた。

「シーズン中はミスの助け合いも必要になってきますが、お互いの性格をわかっていれば、それが役に立ちます。お互いを知ることができるキャンプは大事な時間です。毎日同じメニューをこなし、辛い練習もありますが、福岡ソフトバンクは明るく、さすがの雰囲気でした」

ただ、常勝チームにも課題はあると岩村氏は指摘する。内川聖一内野手や松田宣浩内野手の後に続く若手がいないことだ。

パ・リーグで興味深い存在は…若手&ベテランがかみ合えば「上位も狙える」

「彼らもまだまだやるつもりでいると思いますが、少しずつ若い選手が出てきてくれないと、そこだけ穴が開いてしまいます。今シーズンは、そういう選手に出てきて欲しいですね」

また、福岡ソフトバンクが本命とみられる中で興味深い存在が昨シーズン最下位に低迷した千葉ロッテだという。

岩村氏は、ドラフト1位ルーキーの安田尚憲内野手や、同2位の藤岡裕大内野手を始めとする即戦力と期待される社会人ルーキーの活躍、そして自身と同じくメジャー経験のある井口資仁新監督のチーム作りに注目している。

「キャンプで一軍、二軍の枠を撤廃して監督自らが自分の目で全選手を見るなど、メジャー流の改革が行われています。ルーキーの安田が日米で活躍した井口新監督の下でどう成長するかも楽しみですね。素質は持っているので、どういう教育方針なのか見物です。若い選手たちがどんどん穴を埋めていき、そこに今シーズン2000本安打がかかる福浦などのベテランがかみ合えば、上位も狙えるでしょう」

一方、セ・リーグの優勝候補には広島を挙げる。福岡ソフトバンク同様、優勝も経験しており、キャンプの雰囲気も非常に良かったという。また、CSで横浜DeNAに敗れた悔しさも原動力になるのではないかと話す。

「キャンプで練習している姿にも王者の風格が漂っていました。雰囲気がとてもよく『勝っている』という自信が感じられました。自分が現役でプレーしていた時の広島の雰囲気とは全く違いましたね。丸、菊池などの中心選手は脂が乗っていて一番いい年齢ですし、投手陣は若いですが、優勝を経験している。今年も優勝を争うでしょう」

本命・広島の対抗馬に横浜DeNA、注目する2人の外野手

その広島の対抗馬には横浜DeNAを挙げる。今永昇太投手、浜口遥大投手などの左の先発投手が充実しているだけでなく、打線も面白くなってきていると感じているようだ。

「浜口のチェンジアップは、なかなか打てないですね。今永もいい。抑えには山崎がいて、投手陣は盤石です。打線も筒香、宮崎、さらにロペスの状態がいい。ラミレス監督も『手応えを感じている』と話していました。チームにも勢いがありますね」

その横浜DeNAには注目している選手がいるという。今シーズンから背番号を「37」から「1」に変えた桑原将志外野手と、高卒1年目の昨シーズン、2試合連続本塁打を放ち、日本シリーズにも出場するなど、シーズン終盤に存在感を見せた19歳の細川成也外野手だ。

「桑原は背番号を変えて、やらなきゃいけないと思っている年だと思います。自分も背番号を『48』から『1』に変えた2001年に日本一になりましたが、『変えて悪くなった』、『前の番号のほうが良かった』と言われたくないですから。細川はスイングが良く、長打力がある。今年高卒2年目ですが、自分は2年目の時、初めて一軍に上がって1試合しか出ていません。彼はこれからすごい経験をしていくと思います」

昨シーズンは最下位に沈んだ自身の古巣・東京ヤクルトは今シーズンから宮本慎也ヘッドコーチが就任。キャンプでは練習量も多く厳しい練習を行ったが「必ず糧になる」とエールを送る。

「東京ヤクルトは投手次第です。いつまでも石川、館山に頼るのではなく、どんどん若いピッチャーが出てこないといけない。宮本ヘッドが就任して、チーム改革も行われていますし、川端、畠山がケガをせず、シーズン通して出場できればAクラス争いは出来るのではないでしょうか」

福岡ソフトバンク、広島の牙城を崩す球団はどこなのか。今シーズンの戦いに注目だ。

記事提供:

Full-Count 篠崎有理枝

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE