交流戦順位はリーグ戦の最終成績にどう影響? 1位から6位が全て一致した年も…

パ・リーグ インサイト 望月遼太

2019.6.27(木) 12:57

内川聖一選手、高橋礼投手(C)パーソル パーソルTV
内川聖一選手、高橋礼投手(C)パーソル パーソルTV

大混戦のリーグ戦にあって、交流戦の戦いぶりはどのような結果をもたらすか

 6月25日、「日本生命セ・パ交流戦 2019」の全日程が終了した。パ・リーグでは多くのチームが交流戦期間内に貯金を作るため、ここで負け越したチームは上位陣に置いて行かれる格好となりやすい。そのため、結果的にリーグ全体の順位においても大きなビハインドを負う、というケースも、また少なくはない。

 そこで、今回は交流戦の順位が実際にペナントレースへどのような影響を及ぼしてきたのか、という点について考察していきたい。まず、今季の交流戦成績と、交流戦が終了した時点でのレギュラーシーズンの順位を以下に紹介する。

1位 福岡ソフトバンク 11勝5敗2分→1位
2位 オリックス 11勝6敗1分→6位
5位 埼玉西武 10勝8敗→3位
6位 楽天 10勝8敗→2位
7位 北海道日本ハム 8勝9敗1分→4位
9位 千葉ロッテ 8勝10敗→5位

 現時点で1位と3位はレギュラーシーズンと交流戦で順位が一致しているが、首位から4位まで3ゲーム差という大混戦となっているだけに、まだまだ予断を許さないところ。交流戦期間中に大きく調子を上げて2位に入ったオリックスが、今後のペナントレースでどんな戦いぶりを見せるかによって、リーグ内の勢力図が大きく変化する可能性もありそうだ。

2017年は、交流戦とレギュラーシーズンの順位が1位から6位まで完全に一致

 もちろん、これはあくまで現時点での状況であり、レギュラーシーズンの順位に関してはこれから変動していく可能性が大いにある。そこで、ここからはその予想の一助となりうるデータを紹介していきたい。2014年から2018年までの過去5年間における、交流戦の順位と各チームのレギュラーシーズンの最終順位はそれぞれ次の通りだ。

2014年
2位 福岡ソフトバンク
14勝8敗2分→1位
3位 オリックス 14勝10敗→2位
6位 千葉ロッテ 12勝12敗→4位
7位 北海道日本ハム 11勝12敗1分→3位
8位 埼玉西武 11勝13敗→5位
10位 楽天 9勝15敗→6位

2015年
1位 福岡ソフトバンク
12勝6敗→1位
2位 北海道日本ハム 11勝6敗→2位
3位 埼玉西武 10勝6敗2分→4位
4位 楽天 10勝8敗→6位
5位 千葉ロッテ 10勝8敗→3位
9位 オリックス 8勝10敗→5位

2016年
1位 福岡ソフトバンク
13勝4敗1分→2位
2位 千葉ロッテ 12勝6敗→3位
4位 楽天 11勝7敗→5位
5位 北海道日本ハム 10勝8敗→1位
6位 埼玉西武 9勝9敗→4位
12位 オリックス 5勝13敗→6位

2017年
1位 福岡ソフトバンク
12勝6敗→1位
3位 埼玉西武 10勝7敗1分→2位
5位 楽天 10勝8敗→3位
6位 オリックス 10勝8敗→4位
9位 北海道日本ハム 8勝10敗→5位
11位 千葉ロッテ 6勝12敗→6位

2018年
2位 オリックス
11勝6敗1分→4位
3位 千葉ロッテ 11勝7敗→5位
4位 福岡ソフトバンク 11勝7敗→2位
5位 北海道日本ハム 10勝8敗→3位
6位 埼玉西武 10勝8敗→1位
12位 楽天 6勝12敗→6位


 この中でもひときわ印象的なのが2017年の順位だ。交流戦とレギュラーシーズンの順位が1位から6位まで完全に一致するという、驚きの結果となっている。また、2014年も3位と4位が入れ替わったことを除き、残り4つの順位は全て一致している。2015年も1位と2位はそれぞれレギュラーシーズンと同じ結果となっており、交流戦の結果がシーズン全体の流れを決定づけた年も少なくはないことがうかがえる。

 上記の3シーズンほどではないが、2016年は終盤の追い上げで逆転優勝を飾った北海道日本ハムが交流戦ではリーグ内4位と微妙な順位に終わっていたものの、1位の福岡ソフトバンクと2位の千葉ロッテがそれぞれレギュラーシーズンでもAクラスに入っており、ある程度の関連性は見えてくる。

 しかし、最も記憶に新しい2018年シーズンはやや趣の異なる結果に。パ・リーグ内で1位と2位だったオリックスと千葉ロッテがそれぞれBクラスに沈み、リーグ内で5番目だった埼玉西武がレギュラーシーズンではリーグ優勝を飾っている。最終的にAクラスに入った3チームは交流戦ではそれぞれ3、4、5位となっており、過去の例に比べると関連性は薄いと言わざるを得ないだろう。

多くのチームが貯金を作るからこそ、負け越したチームはその後が厳しく……

 もう一つ興味深いのが、勝率5割以下で交流戦を終えたパ・リーグのチームは、そのほとんどがレギュラーシーズンでBクラスに沈んでいるということだ。唯一Aクラスに入ったのが11勝12敗1分と1つの負け越しにとどめ、シーズン3位に入った2014年の北海道日本ハムであり、それ以外の8例は全てBクラスにとどまっている。交流戦期間内に後れを取るとその後の挽回が困難になることが、データの面からも示されたといえよう。

 10年連続となるパ・リーグの勝ち越しで幕を閉じた、2019年の交流戦。過去の例と同様に、ここでの順位がペナントレース全体の流れに影響するのか。はたまた、2018年に続いてまた違った情勢が生まれるのか。レギュラーシーズンが終わったのちに、その結果をあらためて振り返ってみるのも一興かもしれない。

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パ・リーグ インサイト 望月遼太

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